転入生と明暗 ページ24
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翌日。私は鬼龍と一緒に、屋上で昼食を取っていた。
食堂に行っても購買に行っても、まだまだアイドル科の生徒達には物珍しい存在らしい私は、必ず誰かに絡まれてしまう。
つまり、ゆっくり食事する時間が取れないのだ。
なので最近では、『猫よけ』ならぬ『生徒よけ』として、鬼龍を側に置くようになっていた。
これがなかなか効果テキメンで、今となっては、昼休みに私に声を掛けてくるアイドル科の生徒は皆無である。
そんな感じで私に利用されている鬼龍だが、それで私に文句を言ってくるような事は特にない。
今日もあっという間に昼食を平らげた後、黙々と私の隣で針仕事に勤しんでいる。これもいつも通りだ。
『〜♪〜♪〜♪』
風に乗って聞こえて来るのは、恐らくは新入生であろう少年達の、夢と希望溢れる歌声。
折角の休み時間なのに練習とは、精の出る事だ……とは思うが、そう言えば。
「そういや今日、『S2』あるんだったっけ」
「おう、それ、『紅月』も出場するぞ」
「えっ嘘マジで！？ 見に行く見に行く！！」
俗に言う『民族系音楽』が大好物である私にとって、『紅月』の楽曲は、性癖ド真ん中直球ストライクの塊である。
だって曲の主旋律が和楽器とか最の高じゃない？ もうなんかホント好き。
あ、言うまでもなく『Valkyrie』も好きだよ。『紅月』が和なら『Valkyrie』は洋なので、つまるとこ別腹でどちらも美味しい。好き。
と言うか今気付いたけど、どっちも私の幼馴染みの所属ユニットだわ。好きなものと好きなものが掛け合わされてるとか無敵じゃない？？ 最高かよ？？？
「いや最高！！ 愛してるよクロくん宗くん！！ 好き！！」
「いきなりどうしたお前」
おっといかん、興奮しすぎた。
つ〜か、誰かに聞かれてたら誤解受けかねない発言だったなこれ。反省反省。
「にしてもA、アイドル好きじゃねえとか言っといて、俺らや斎宮の曲は聞いてんだな」
「は？ 当然でしょ、クロくんと宗くんの歌だよ？ 私が聞かない理由が無いじゃん」
アイドルには一切興味ないけど、それが大好きな『幼馴染み』と言うなら、話は別だ。
例え私の大好きな『民族系』と合致してなかったとしても、私は絶対に2人を応援してた。それだけは胸を張って断言出来る。
大事な大事な『弟分』の頑張りを、応援しない『姉貴』がいるもんか。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
