転入生と魔女・2 ページ15
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「『普通科の魔女』の名は、あの『戦争』によって、この夢ノ咲学院に……全校に轟いた。
かつて普通科を束ねた『魔女』、その威光の恩恵に与りたい、と考える者が出ても不思議ではないね」
「……じゃあ、私の転入は……」
ここの『革命』を望む誰かが、天祥院の時と同じように、『魔女』の力を――ひいては普通科の力を使おうって、そう目論んだから？
……でも。そんな事、一体誰が？
「フン、そんなものは僕の知った事じゃないねっ。興味も無いのだよ、生憎、僕は僕の事で手一杯なのだから。だが……」
と、机の上で手指を組み替えながら、斎宮くんは告げた。
「何度でも言うがね、全ては君次第だよ、不陶。『革命』に携わるも、その芽を摘むも、決めるのは君の意志。君の……自由だ」
「自由……」
「そう、自由。あの普通科では奪われていた、君の、君だけの自由だよ」
「君はもう、自由に生きていいんだよ……不陶」
そう語る斎宮くんは、悲しそうな眼をしていた。
「……斎宮くん」
「君はもう縛られなくていい。この学院にも、『魔女』の名にも。
君が疎ましく思う全てのものを、すぐにでも投げ捨ててしまっていい。
君になら、その全てが許される」
……やめて。
「君は、君の為すべき事を、全て果たした。
君の全てを掛けて、仲間を、後輩を……普通科(すべて)を守ったのだから」
「やめて、斎宮くん」
そんな事、言わないで。
だって、どんな理由があろうと、それがどんなに正しくても――。
「――私は、君を、『見殺し』にしたんだよ？」
斎宮くんの顔が、更に悲愴に歪んだ。
我が身可愛さに、大事な大事な幼馴染みを、兄弟のようにすら思っていた『彼』を、私は切り捨てた。
その事実は、何があっても変わらない。
なのに、
「ああ、そうだね。
……だが、今、言っただろう。
君は、君の為すべき事を果たしたまでだ。違うかね？」
……何で庇うの、斎宮くん。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
