転入生と魔女 ページ14
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――『普通科の魔女』。
それは、いつしか呼ばれるようになっていた、私の二つ名だった。
正確には、それが『私』だと知る人は少ない。
でも、その『魔女』についての噂は、私が秘密裏に行ってきた事を指していた。
学院との予算交渉、教師の不祥事の告発、身近なイジメやトラブルの調停、等々。
それらに私が関わったのを知っている人なら、すぐに気付く。そんなレベルの噂だ。
でも、その二つ名と噂は、独り歩きに独り歩きを重ねて。
いつしか、『普通科の陰の支配者』と呼ばれるようにまでなっていた。
――『普通科の魔女』には逆らうな。
いつの間にか出来た不文律は、あっという間に学内に広まった。逆らうと不幸になる……なんて、何の根拠も無いのに。
しかし、あの『革命』の時には、それが非常に役に立ったのだった。
『魔女』は、皆に呼びかけた。
天祥院英智。
生徒会役員にして、夢ノ咲の出資者たる天祥院家の子息。
彼を助けよう。彼を助けて、
『魔女』が集めた畏怖と崇敬で、普通科は、あっという間に一つに纏まった。
そうして一丸となって彼を支えた見返りとして、普通科は念願叶い『自由』を与えられたのだった。めでたしめでたし。
それで万事が済んで、私は、『魔女』はまた闇に消える。その筈だったのに。
「……この学院に、まだ、『魔女』は必要なのかしら」
仮初でも、平穏は平穏だ。
血塗れの『魔女』が、のうのうと居座っていていいような場所では無いだろうに。
「必要だ。だからこそ呼ばれたのだよ、君は。
誰が担っても変わらない筈の、『プロデュース科の転入生』という身分を与えられてまでね」
いつの間にか静まり返った教室に、斎宮くんの声だけが、凛と響いた。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
