転入生と従妹・2 ページ6
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「今回は特に目的は無いってこと？ 珍しいわね」
「あると言えばあったけど、あたしが到着する前に、もう決着しちゃってたみたい。残念だけどね……。まぁ、不幸中の幸いと言うべきか、唯一の懸念も今解消されたから、それで良いかなって」
「今？」
『さっき』ではなく、『今』。ってことは、
「私の『転入』……いや、夢ノ咲学院と何か関係があるのね？」
「Aちゃんは理解が早いね」
「何年アンタの従姉やってると思ってんの。……でも、そう……そうだ、アンタ確か、『君咲』だったよね」
「うん、あたしは『君咲学院』の生徒です。とは言え、最近は研究で多忙だから、ほぼ学籍を置いてるだけの状態だけどね」
『君咲学院』。私の通う夢ノ咲学院の近郊にある、私立の高校だ。
家柄の良いお嬢様か、よっぽど頭の良い女子でも無ければ入学出来ないと言われている、歴史と伝統の長い女子校である。
その関係上、同じく歴史の長い夢ノ咲学院とも、一応親交があると聞いているけれど……。
「……ねぇ。君咲って、今、何かしら騒ぎが起きてたりする？」
そう聞きながら思い出していたのは、学校のトラブルで転校が遅れる、という『彼女』のこと。
……まさか、とは、思うけどね。
「そう、例えば……誰かが転校する、とか、学校から姿を消した、とか」
「……先程も言ったけど、あたしは学籍を置いているだけだよ？ 学院内の事情については、知るところにありません」
「でも、知ってるんでしょ？」
あ、いや、違うか。正確には、
「『知ってしまった』から戻って来て、でも、アンタが着く前に『決着してしまった』。もう誰にも手出し出来ない程、完璧に……。
そうでもなきゃ、アンタはここに来てヤケ食いなんかしてない筈だもん。違う？」
「……Aちゃんは、本当に理解が早いね」
と、諦めたように肩を落として、従妹は溜め息をついた。
そのまま後ろに倒れ込んで、大の字になる。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
