283話【谷山side】 ページ42
幼い頃には良く歌った思い出はあるものの
成人してからは下手すれば今の今まで忘れてた俗世に言うまじない
聞き馴染みのあるあの民謡と言うか童謡を歌い終われば絡めていた小指同士が離れ
スイッチのオンオフを切り替えたようにパッとDの方へ振り返る彼女の背中を見ても
不思議と独占欲みたいなドロドロとしたモノが巣食うことは無かった
さっきまで一部分を巣食っていたモノも無くなってるのを感じて
そしてそれが自分でも不思議で、彼女とさっきまで絡めていた小指をただただ見詰める
「意外、紀章君がそんな風に言うなんて」
「そりゃ言うよ?…今までも使ってきたし」
44年生きている中で”一目惚れ”自体は何回かしている。
そのかいあって今回のも”一目惚れ”ってことを自信もって言えるし
その今までの中でも特段大きな部類の衝撃だったとも言える
まぁ、とは言っても過去は過去で彼女に聞かせたい話では無いので
彼女の方に視線を動かし様子を見てみればDと楽しそうに会話をしているのが目に入る。
頬が緩むのを感じながら(Dを少し睨み付けながら)その様子を見ていれば
「あ、そうじゃなくて」とどもる神谷君の言葉に耳を傾ける
「いや、”一目惚れ”ってのはあってるんだけど、なんと言うか
声のトーンとか、”言葉の重み”みたいなのが違うなって思っただけ」
「……つまり?」
「ガチのマジなんだなって」
「なるほど」
やっぱり違うものなのか
今までの彼女と付き合ってた時と司ちゃんと付き合ってる今って
その自覚は少なからずあるが
それが他人にはどう見えるかなんて知る術は無いからあまり気にしていなかった節は
……無くもない。
「……ところで話変わるけど何でスマホ構えてんの?」
さっきまでガサゴソとポケットの中を探っていたのが止まったかと思えば
スマホを取り出し横に持ってビデオの準備が終わったところで敢えて聞いてみると
”しーっ”と声のボリュームを下げるように言われる
「小野君が柏村君にドッキリ?仕掛けるらしいから撮っておこうと思って」
「へぇ、それは構わないけど、司ちゃん泣かしたら俺キレっからね?」
「嗚呼、それは心配しなくて大丈夫。」
詳しく聞こうかとも思ったが”そんな大したものじゃないし見てれば分かるよ”
との事なのでアジア1の人気声優の言葉を信じてひとまず見守ることにした
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
神谷さんの口調迷子過ぎて申し訳ないです…○| ̄|_
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最小幹部 - shinox2さん» やったー!((谷山さんはそう言うカッコいい言葉をサラッと言うイメージがあったのでぶちこんでみました! (2020年1月27日 3時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 「つーかそれは俺が決めるから取り敢えず話せ」刺さる。言われたい(///∇///) (2020年1月26日 23時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - shinox2さん» わかります(笑)私も朴さんが結婚と言うのには「朴さん結婚するだ〜おめでとうございます!」みたいな感じだったんですけど、たっつんさんの時は「え、嘘マジで?ホントに!?(スクショパシャァァ)」って何か焦りました(笑) (2020年1月22日 21時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
shinox2(プロフ) - 朴さんの結婚は『あら〜姉さんおめでとう(^-^)』ぐらいだったのが、達の結婚は「!Σ( ̄□ ̄;)うぇっ!?は?まじで!?」でした。だいぶ絶叫して荒ぶりました(笑) (2020年1月22日 21時) (レス) id: c23d485c4b (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - ころころさん» わかりみが深い……(精一杯の感想) (2020年1月19日 22時) (レス) id: 4419a0d4d5 (このIDを非表示/違反報告)
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