新人声優と最推しさんの恋愛事情 3

281話 ページ40

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『……』


「……」


『……』


「……はぁ」



気まずい雰囲気の流れる中で目を逸らしたままの状態で耐えること最も長い数秒を何とか生き抜けば呆れたような溜め息が1つ
幸か不幸か私と紀章さんしか居ない廊下にやけに響く



「ほんっと分かりやすいね司ちゃん」


『いや〜それほどでも〜』


「褒めてるけど褒めてないからね」


『……ハイ』



普段なら『なに言うてん？』と謎の関西弁で一蹴するとこなんやけども
…この状況からは不本意ながら彼の言いたい事は何となく理解できるので素直に返事しておく

一拍の間が空いてから再度溜め息まじりに片手で頭をかきながら
これまた呆れたように「あのねぇ……」と呟く紀章さん



「どんなに小さな事でも溜め込まれるより言ってくれた方が男としては嬉しいもんなんだけど？」


『…でも、下らない事かもよ？』


「下らない事なら下らない事で一緒に笑い飛ばせば良いし
辛くってしょうがないなら相談に乗るし一緒に考える

つーかそれは俺が決めるから取り敢えず話せ」




『……色々ずるい』


「何とでも言い給え！年季が違うんだよ年季が！！」



何とか捻り出した言葉は半ばヤケクソで一蹴される
それがまたサマになるのが謎。(不服)



『タラシー人タラシー女タラシー』


「司ちゃんだけですー彼女にだけですー他には言いませんー」



語彙力の無い嫌味を投げ掛けるが、さも当然のように返される
返され方が子どもみたいなのに嬉しいと思っちゃうのが
何だろう、すっごい悔しい。


と言うか早く言いなさーい、と頬をつんつんとつつかれる
かっこ可愛いとか質が悪すぎる

はぁ〜と溜め息を1つ吐き出して
(かつ「おいコラ」と言う言葉を聞こえない事にして)腹をくくる事にする





『実は＿＿』

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