表〃裏〃一〃体２

crime#5 ページ11

すばるを連れて、近所のスーパーにやってきた。




お金もないのに何するんかって？




それは…




｢お１つどうぞ。｣




試食コーナーや。




試食で食べ物にありつこう、ってわけ。




恥ずかしいけど、仕方ない。




｢おねーさん、それください！｣




すばるはまだ恥ずかしさとかないみたいで、自分から貰いに行ってる。







．







｢…すばるー？｣




しばらくして一通り回ると、すばるが居ないことに気づいて。




探したら、お菓子コーナーでしゃがんで何か見てた。




｢そろそろ帰ろ？｣




｢おん！｣




すばるは、手にとってたものをそっと戻してこっちに走ってきた。




気になって、すばるがしゃがんでた所らへんを見てみると




そこには、ガンダムのおもちゃ付きガムが置かれていた。




欲しい…んや。




でも、すばるもお金がないのは分かってるから
ねだらない。




僕がすばるくらいの頃は、まだおばあちゃんも居て。




生活はキツかったけど、それでもこのお菓子くらいは買ってもらえてた。




｢……。｣




すばるに我慢させてばっかり。




なんだか悔しくて、申し訳なくて




すばるの手をギュッと握った。

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