8話 ページ9
近い……！
獣みたいにぎらついた目に囚われて身動きができない。
息の仕方を忘れたみたいに、思わず息を止めてしまう。
「顔赤ぇな。」
『や…見ないで……』
「暴れんなって。頭打つよ。」
『〜ｯ！』
悠仁くんはそう言ってより一層、私を自分の方へ引き寄せてくる。
こんな同い年の男の子知らないってば…！
『は、話すから…！』
「俺はもう少しこうしててもよかったけどなぁ。」
『何言ってんの…！』
離された瞬間、ポカッと腕を殴れば「いてっ！」とわざとらしい演技をされる。
なんなのよもう……。
『……聞きたいことが、あって。』
「うん、何？」
『なんで……居候なんてしようと思ったの？』
聞いた…ついに聞いた。
なんとなく答えを聞くことが怖くて無意識にぎゅっと拳に力がこもっていた。
ﾌﾜﾘ…
『え……？』
「理由もなしに居候してたら不安にもなるよな。
……ほんとごめん。」
悠仁くんは申し訳なさそうに笑いながら、私の頭の上に優しく手をおいた。
それから、「来て。」と手を引かれて二人でソファに座る。
「信じてくんないかもしれないけど、
俺、呪術師っていうのやってんの。」
『呪術……呪い…？』
「うん、呪いを祓う仕事みたいな感じ。
でも俺は他の人とは違う。
人を簡単に殺せる呪いが俺にはあるんだ。」
そう言いながら胸をギュッと掴む悠仁くんは、とても切なそうに見えた。
呪いが自分の中に……？
それって一体どういう………
「そういうわけで俺、こう見えて実は死刑囚！」
『…………はい？』
「役割を終えたら殺されるんだ…この呪いごと全部。
だけど、今色々あって俺が通う高専に戻れねぇ状況になってる。
会いたい同級生もいるし、先生もいる。
でも俺は俺のせいでみんなに会えねぇ。
その上、呪霊を倒しに任務に行って怪我はするし、精神的にも肉体的にも参ってた。
Aに会わなきゃ、俺は殺される前に死んでたかもしれない。
だから、あの時嬉しかった。
あんな状況の俺に優しく声をかけてくれる子がいるなんて思わなかったんだよ。」
『悠仁くん………』
悠仁くんが言っている、"そっちの世界"が私にはわからない。
呪術師も、呪いも、初めて聞いた。
死刑囚…というのは、どこまで信じたらいいかわからないけど。
でも、悠仁くんの真剣な目を見る限り全て真実なんだと、私の心に語りかけてきた。
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美悠 - ちゃっぱさん» じゃあ洪水のように泣きますねw(え？)続編おめでとうございます！！！ (2022年3月17日 20時) (
レス) id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 大丈夫です。その涙、受け止める覚悟は済んでます。地中海の底までサヨナラしたいですよねっ♡() (2022年3月17日 19時) (レス) @page50 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - 読んでて泣きそう…どっちもいい子すぎる…とりあえず紗里ちゃんは沈めてきます…☆(野蛮) (2022年3月14日 23時) (レス) @page48 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃっぱ(プロフ) - 美悠さん» 優等生と思わせておいてからの、その見た目に反してってやつですよね…あぁ、好きぃ (2022年3月14日 1時) (レス) @page48 id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
美悠 - ちゃっぱさん» 恵ちゃんは美形でクールですけど、実は元ヤンなところ凄くポイント高いんですよ笑 (2022年3月11日 21時) (レス) @page46 id: 4ccee94cf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃっぱ195
| 作成日時：2021年12月26日 0時
