43話 ページ44
『ちょっとおおぉ…!何壊してんの!!
修理代出してくれんでしょうね?!』
「は?知るかよ。俺は今最高に虫の居所が悪い。」
……は?
だからって普通、彼女の家の、しかも浴室の扉ぶっ壊す?
私を壁に追い詰めて、逃げられないようにして上から見下ろす悟は明らかに不機嫌極まりない。
が、
『…………冷めた。』
「あ"?」
『彼女の家の扉ぶち壊してまでそんなにシたい?
子供じゃないんだから、そういうの本当やめて。
最悪すぎて反吐が出る。
……早く出てって。』
冷たく言い放って、悟の背中を思い切り押せば、「あ、違……ごめん。」なんて聞こえたけど、私はそれを無視してお風呂に逃げた。
なんで……こうなっちゃうかなぁ。
悟と喧嘩したいわけじゃない、悟に触れたいのに…。
悟は彼女になった私に触れたい、だけど私は
『緊張……するじゃん。』
"彼氏"という認識になった途端、どこかむず痒くて、前よりも緊張してしまうんだ。
私は悟みたいにズケズケとは行けない。
それに、さっきも言った通り、まだ部屋には………
『……考えても仕方ない。
まず謝って、それから正直に言おう。』
そう決めて、急いでお風呂を済ませて深呼吸をして、『さ、悟〜……さっきはごめ…』まで言った。
リビングに入ったら、そこには悟の姿がなかった。
嘘…まじで帰っちゃった?
『悟!!』
バンッと寝室を開ければ、悟はある一点を見つめて佇んでいた。
『なんだ…いたのか。
悟、さっきはごめ……』
「これさ、このままにしておこう。」
『え…?』
その目線の先にあるのは、高専時代4人で撮った写真と、花瓶に入れられた黄色の水仙だった。
私がすごい顔をしていたんだろう、「そんなに複雑そうな顔しないで。」と笑って、私をこっちに来るように手招きした。
だって…これがあったら悟は……
「忘れないように、っていう意味で置いてたんでしょ?いいじゃん、このままで。」
『けどそれじゃ悟がッ……』
「僕は大丈夫。もう、大丈夫。」
『悟……。』
その顔は、綺麗な笑顔を浮かべていて、ああ……大丈夫じゃなかったのは私だけだったんだってわかった途端な、なぜか泣きそうになる。
「Aは?」
その質問に、私は溢れ出そうになった涙を拭うと『大丈夫。』と笑った。
『だって、私が好きなのは悟だから。』
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ちゃっぱ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして!コメントありがとうございます^_^ オチは作成当初から決めています!ネタバレになってしまうのでオチをここで言うことは出来ませんが、完結間近ですのでぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです( ; ; )ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年6月23日 22時) (レス) id: 12eaed4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年6月23日 19時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃっぱ195 | 作成日時:2021年5月3日 14時