からっぽカラ松 ページ7
「さぁフィナーレだ。」
俺は今日ここで死 ぬ。
なんて素晴らしいフィナーレなんだ。
この演目は少々過激な部分もあったが上出来だ。
まぁ、俺が主人公だからな。
失敗なんて有り得ない。
後ろから兄弟たちの声が聞こえる。
「あぁ！ mybrotherごめんな。もうこの演目は終了なんだ！」
「やめろ！ カラ松お前にはまだ未来がある！」
チョロ松が叫ぶ。
あぁそうだよ。俺には未来がある。
だからこれから違う役として違う演目を演じるんだ。
「俺…いつもお前に突っかかってたけど…っ
僕は、僕はぁ！ お前が、カラ松が必要なんだよ…！」
…一松
もちろんだ。だって俺は主人公だったから。
「僕まだカラ松兄さんと歌うたいたい！やきうしたい！」
十四松。それは次の演目でな。
「おい！カラ松！」
トド松？
「あのなぁ！お前先に消えんじゃねーよ！ んなの台本にねーわ！」
…え？
おい、どういうことだよ。
俺が間違えた？
失敗した？
「そうだよ。カラ松お前は間違えた。」
おそ松…？
教えてくれ。俺はどう俺を演じればいい？
「本当の台本はこうだ。」
「松野カラ松は演技をやめ、これから幸せに生きる。」
あぁ、そうだ。
それが本当の台本。
俺の大事な大事な人生の、未来の。
もう仮面の裏の俺はいない。
そんなこととっくの昔に気付いていた。
それでも俺は仮面の裏の俺を演じていた。
でももうそれも終わり。
仮面の裏の俺が居なくても俺には兄弟がいる。
「今まで俺を演じてくれてありがとう。俺。」
fin
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作者名：Spica | 作成日時：2016年5月16日 9時
