★第1章『チャーハン』一品目 ページ2
その日の夜。
長方形の電子機器…、所謂「すまほ」と云うものを
片手に、眉間に皺を寄せる中原中也___もとい、
俺の姿があった。
何を隠そう、Aの理想のタイプに…、
及び、家事スキル上げよう作戦は既に幕を上げているのだ。
「……何を、作りゃァ良いんだ」
幕を…上げて、いる筈なのだが…?
今迄、Aに料理を振舞おう等、
思考の片隅にも無かった俺は頭を抱える。
……彼奴は、何が好きなのかわからねェ…。
某料理サイトを駆け巡る俺だが、
これでは一向に拉致があかない。
______此処は一つ、
意を決して本人に聞くべきだろうか。
ピピピ、という電子的な音と共に、
う行を探し、Aの連絡先を見つける。
よし、これで後は発信ボタンを押すだけ……
「……」
……おいおい、怖気づくなよ中原中也。
手前は泣く子も黙るポートマフィアだぜ?
後は親指に本の少しの力を込めるだけで、
Aに好きな料理を聞けて、俺はそれを作り、
家事スキル上げよう作戦の第一幕が上がるわけだ。
「……」
…やっぱ明日からにするか。
・
如何やら、長年、恋愛に対する
アタックと云うものをして来なかった俺には、
電話を掛けるなんて高難易度の諸行は無理だったようだ。
…我ながら情けない。
「…つーことで、姐さん。
貴女だけが頼りです」
「………くふっ」
おい。
今滅茶苦茶莫迦にされたぞ。
あの姐さんが、「くふっ」て。
「くふっ」て云ったぞ。心折れそう。
「…電話が無理ならば、直接聞けば良かろうに。
中也は何時からそのような臆病
かなり心に来る言葉だが、
云い返しても俺のライフが削られていくだけなので取り敢えず口を噤む。
姐さんはまるで何処かの青鯖のように、
厭らしく笑った後、「仕方ないのう」と云いながら、着物の袖を口元に当てた。
…嗚呼、やっと教えてくれる気になったのか。
助かったぜ…
「…Aに云うといてやるから。
…………自分で、聞、け、い」
「……」
…少しでもそう思って期待した自分が莫迦だった。
姐さんの鬼畜野郎。
今度金ぷら食ってやる。
そう胸中で愚痴りながら、
俺は姐さんの元を渋々離れ、Aの所へと向かった。
☆第1章『チャーハン』 二品目→←☆序章 気になる彼奴のタイプ
463人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬぬぺ(プロフ) - 最高に好きです…。永遠と更新待っております。 (2021年5月9日 11時) (レス) id: 9b882da59b (このIDを非表示/違反報告)
透(プロフ) - はぁ、もう可愛いが止まらない (2020年2月17日 14時) (レス) id: b371464530 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - おもいびとのために奮闘する幹部が可愛すぎて終始ニヤニヤしておりました。合作なのですね!更新、こっそり楽しみにしております。 (2018年9月7日 20時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
こくだか(プロフ) - めっちゃ面白いです!文才素晴らしい!実際の文豪のネタが入ってるのが嬉しいです。 (2018年5月7日 23時) (レス) id: c98d2abbd5 (このIDを非表示/違反報告)
よっしー3号(プロフ) - 嘘の鏡さん» 何かさーせん!です! (2018年3月28日 20時) (レス) id: 669979a4ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よっしー3号とピロウ x他1人 | 作者ホームページ:http://agpdumtmjahmtd
作成日時:2017年7月17日 0時