Closer 【吉沢亮】 (ページ3)

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M&M ページ3

“ねえ！亮くん見て！かわいいよ！”

そう言って彼に見せたのは録画しておいたディズニー特集。

期間限定イベントに今はやりの芸人がレポーターとして参加しており、パーク内に鳴り響く音楽に合わせて大人なら躊躇ってしまうようなかわいい振り付けを踊ってみせる。

私は所謂Dヲタで、仕事で観れなかった回のものを録画しておくくらいディズニーが子供の時から好きだったのだ。

小学生の時、初めて行ったディズニーシーでジャスミンとアラジンに出会った。

今となってはあれもゲストを喜ばせるための演出の一環だったのだろう、と思う。

しかし、その当時は全くそんなことは頭になくて、アラジンがジャスミンをスマートにエスコートする様や、2人で微笑み合う様は私を強く惹きつけた。

それからというもの、誕生日プレゼントにアラジンのDVDをねだり、繰り返し繰り返し観る日々が続いたらしい。

その時からずっと2人のような関係に憧れていて、いつかこんな人を見つけられたら、と想い続けていたわけなのだ。

しかし、私の高まる気持ちをよそに、彼は最近インストールしたゲームに夢中で、私の方すら見てくれない。

「ねえ、亮くん？聞いてる？」

『ごめん、あともうちょっとなの。』

この返事はFortniteか荒野行動かな...

なんて、返事でやってるゲームが推測できるようになった。

彼はいつも家にいるときはカウチに座ってマンガを読んでいるかゲームをしている。

いつも私もその間に好きなことをやっているし、同じ空間を共有できるだけで、一緒にいれるだけで幸せなので彼に変わってほしい、とかそういうわけではない。

でも、今だけは少しだけでいいから私に目を向けて欲しかった。