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12.震える君の手をそっと。 ページ12

(人1)side


「ふー、ごめんね、田舎は天気が変わりやすくて…………
はい、タオル」


「ありがとう、此方こそごめんね!」


私とカラ松はタオルを受けとる。


「そうだ、買い物にいかなきゃ。
二人とも中でゆっくりしてってね」


(人2)ちゃんは傘を持ち、扉の前にたった。


「あっ、私も手伝おうか?」


「俺も荷物持ちくらいならできるぞ?」


私たちは手伝おうと声をかける。


「ううん。(人1)ちゃんは病気持ちなんだから、何かあったら大変でしょ。
お兄さんは、(人1)ちゃんについてあげててください!」


「……わかった。本当ごめんね!」


「いいのいいの。行ってくるね」


そういうと、(人2)ちゃんは外に出ていった。


『病気持ちなんだから』


…………そうだ、あと2ヶ月程しか生きてられないんだ。


やっぱり、死にたくないな。


俯いていると、カラ松が私の手をそっと握った。


「……怖いのか?
震えてるぞ」


「え…………あ、れ?」


自分で自分が震えていることに気がつかなかった。


「なぁ、十四松girlには、余命の事……」


「……まだ、言ってないよ」


「…………そうか」


何か言いたげなカラ松の返事は、雨音によって掻き消された。

13.急場凌ぎで台詞を張り合わせ。→←11.暖かな春の日差しも忘れてしまう。



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作者名:四ノ葉えまい | 作成日時:2018年5月1日 18時

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