【おそ松さん】あっという間に、死んじまうからね。【からっぽのまにまに】 (ページ2)

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2.いつかここで生きていたことなど忘れてしまう。ページ2

(人1)side

「＿＿＿残念ですが、余命３ヶ月です」

医師が告げた言葉に、母さん、父さん、私、そしてその場が固まった。

「……え、さん、か、げつ＿＿＿？」

絞り出した言葉が上手く繋がらなく、途切れ途切れになりながら聞き返す。

怖い訳じゃない。悲しい訳じゃない。

ただ、驚いただけ。

「っ…………(人1)は……(人1)は助からないんですかっ…………！？」

母さんは涙を流しながら、よくドラマで聞くような台詞を叫ぶ。ちょっと、声が大きいよ。

「………………残念ながら」

医師はぎゅぅっ、と手の平を拳にして握りしめた。

父さんと母さんの泣き声だけが響く院内で

死ぬ張本人の私は、焦ってなどいなかった。

「(＿＿＿いつかここで生きていたことなど忘れてしまうんだから、さぁ…………)」

どうせ来世で、前世の記憶なんてない。

たとえ人間になっても鳥になっても床になっても、今の私、(人1)にはなれないし思い出せない。

そんなんだったら、死んでも生きてもおんなじだ。