モノクロ３＜ARS＞ (ページ5)

今日:9 hit、昨日:12 hit、合計:1,261,838 hit

７５ページ5

.

領の綺麗な指先が

いつの間にか泣いてた私の目元を拭ってくれてる

「くすぐったい…//」

領「…僕のAはどうしてこんなに可愛いのかな」

「…//」

クスクス笑った領は

私に置き去りにされたスーツケースを手にとると

近くにいた領の部下さんに“運んでおいて”って頼んだ

領「とりあえず、事務所に挨拶しに行こうかな」

「うんっ」

返事をしながら領を見つめたら

領「…A」

ふって傾いた領の顔に

そっと目を閉じる

領「ただいま」

可愛くて小さなキス

…空港には人がいっぱいいるのに…//

「…//おかえりなさい//」

照れた私の手を優しくとって指を絡めて

いわゆる恋人繋ぎをする

何も言わなくても

手を繋ぎたいってわかる領に

愛されてるって感じる瞬間

.

空港を出たらさっきの運転手さんが待っててくれた

本社の運転手さんなんだとか

そして

事務所に向かう車の中で

領は私からくっついて離れない

私も離れたくない…けど…//

「領…」

領「ん？」

「あ、暑くないの//？」

領「どうして暑いの？」

片手でぎゅって抱きしめて

顎を私の頭にぐりぐりするのは彼の癖

時々思い出したように

髪の毛にキスをするから心臓がもたない

動きが止まったと思ったら

領「…A、痩せた？」

心配そうに私の顔を覗きこむ領

…なんだかんだ忙しいから痩せたのかも

「でも、痩せてた方が綺麗に見えるもん」

領「そんなに僕を骨抜きにしたいのかな」

「骨抜き…？」

領「…(笑)」

領がそっと頬にキスを落としたかと思ったら

少しずつくちびるを下に滑らせて

私のくちびるにたどり着いて吸いついた

何回かわからないくらい何度もキスを繰り返すから

呼吸が思うようにできなくて

「…ん、っ…領…//」

領「なに？」

綺麗な瞳が私をじっと捉える

綺麗すぎて思わずぶるりと震えた

「ここ車だよ…//」

運転手さんに聞こえないように小さな声で訴えると

領「ふふ、Aはこれじゃあ物足りない？」

“家に帰ったらもっとすごいのしてあげるから”

って甘い声で囁く領は

ほんとに意地悪だと思う

.