モノクロ３＜ARS＞ (ページ34)

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吉沢くんは日付が変わっても仕事が終わらなかったみたいで

手伝おうか？って聞いたけど

大丈夫ってやんわり断られて、もう寝なさいって言われた

眠気もない

これからどうしよう

それしか考えられない

事務所の上にある領の泊まり部屋に入って、ベッドに座る

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その時、携帯の着信の音がした

こんな時間に誰だろう……

何気なく見たら、

“マネージャーさん”

って表示されてた

出るべきか…出ないべきか…

少し迷ったけど、思い切って出てみる

「…もしもし」

マ『あ！Aさん！よかった…出てくれて』

「あの…えっと…」

マ『今、成瀬様の事務所ですか？』

「え…」

なんで知ってるの？

びっくりして何も答えられずにいたら、マネージャーさんが笑った

マ『大丈夫ですよ、ちゃんと事情はわかってるつもりですから』

「ど、どういうことですか…」

マ『あの５人にAさんの居場所は何も伝えてません。今日はどうかゆっくり休んでください』

「あ…はい、ありがとうございます…」

マ『皆さん、反省してると思うので、近いうちに帰ってやってくださいね(笑)』

「…わかりました。わざわざ、ありがとうございます」

マ『こちらこそ、嵐が迷惑かけて本当に申し訳ありません』

マネージャーさんが味方ですごくほっとした

「…あの、皆さんの様子とかって」

マ『とても焦ってましたね(笑)女の子であんな慌てたことはないと思うくらい』

「怒ってました…？」

マ『どうでしょう…、でも、なんでも上手くいってる彼らでも少しくらい、困ってもらわないと』

「そうですか…(笑)」

マ『彼らの場合自業自得ですから(笑)』

あと私の心配をしてくれて

おやすみなさい、と言い合ってから電話を切って、うわあってベッドに倒れてみた

焦ってた、んだ

怒ってはいると思うけど

焦ってくれたんだ

ちゃんと、皆の中に少しでも私がいてくれたんだ、って安心した

ぎゅうとか、くっついたりとか、どう反応したらいいかわかんないけど

無視されるより全然いい

きっと女の子と遊べないから、身近な私に温もりみたいなのを求めてるだけで

何の感情も特にないのはわかってるけど

優しくて、笑ってくれるアイドルな５人が大好きなのは

もう否定できない

皆は、私のことどう思ってるのかな

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