モノクロ８＜ARS＞ (ページ6)

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２７６【O side】ページ6

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俺とありすの出会いは俺が京都で舞台をやってる頃だった

俺の舞台の関係の人と、ありすが当時エキストラで出てたドラマの監督が知り合いで

たまたま食事する機会があって、俺も呼ばれた

そこには、ありすもいて

お互い新人だったから、仕事の話をするうちになんとなく気が合うな…って思えて

東京に戻ってきても、ありすのことが忘れられなくて

また、仕事で再会できた日には、彼女に想いを告げていた

俺、好きって思ったら言っちゃうタイプだったんだよね

ありすも同じことを思ってくれていたみたいで、ガキだった俺は嬉しくて嬉しくて

周りが見えないくらい、恋愛にのめり込んでいった

この子は俺だけのもの…って思ってたんだよ

ありすへの独占欲はどんどん膨らんできて、ありすも俺しか見えてなかったと思う

それをいいことに、俺は最低なことをした

ある日、先輩に連れていってもらったバーで、モデルの女の子たちと知り合って

そのままホテルに行った

…そう、浮気かな

まあ一夜限りの関係だったけど、俺にとってすげー快感だったんだそれが

ありすの知らないところで他の女を抱いて

でも、やっぱりありすが１番イイって思うことが

当時の俺、おかしいよね

狂ってたんだよ

彼女に対する愛情が

ありすもそれに気がついたのか、いつも泣いてた

どっかに行かないでって、俺に抱きついて

それが可愛くて嬉しくて、同じことを何度も何度も繰り返して

きっとありすの精神もボロボロになってた時に

俺はありすの目の前で他の女を抱いた

…今思えば、なんでこんなことしてたのか自分を殴りたくなるくらい

だって、今ならわかる

好きな女以外、抱く気にもならないって

…んで、ありすはそのまま抜け殻になっちゃって

俺はすげぇ後悔して、毎日謝りに行った

そんな時に、ありすの部屋に通いつめる俺を雑誌の記者たちが捕まえて、熱愛報道された

当時、俺のおっきな仕事の前だったから、事務所側が圧力をかけて

ありすを海外に飛ばしたんだ

いわゆる日本での仕事を打ち切られた彼女に罪悪感しか募らなかった

俺が、彼女の人生を変えてしまった

幼い俺は、膨らみすぎた恋心を

その日以来閉じ込めることに決めた

もう、本気の恋愛はしないって

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