モノクロ８＜ARS＞ (ページ36)

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３０６【M side】ページ36

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ニノが、ドカッとソファに座る

まるで吉沢くんを尋問してるみたいなんですけど

潤「どういうこと？」

和「絶対的な味方になってもらう。Aはたぶん先生に知られるの怖がってる。だから、先生に俺らのことは言わないであげて。先生がこの先Aを責めようとしても絶対に彼女の味方でいること。それを約束してくれるなら、許してあげる」

吉「…」

和「それが飲めないなら、ここで事務所に対処してもらうけど」

前に番組でやった時も思ったけど

ニノって前世はヤクザとか尋問する人じゃないかって本気で思う

言葉が巧みだし何より相手をコントロールする力を持ってる

ニノがいてよかったと今は心底そう思う

吉「…Aちゃんが先生のことを裏切ってるなら、僕は…許せません」

智「…Aのこと悪く言うなら嵐を敵にしてもいいんだ。すげー」

吉「…だって、あんなに先生はAちゃんを愛してるのに…」

和「…彼女のことは悪く言わないでくれ。頼む」

ニノが頭を下げた

珍しい、というか

年下の男にそんな態度とるなんて、らしくない

和「どうしようもなく、好きなんだよ」

緊迫した空気に、ニノの声が紡がれてく

和「俺ら５人は遊びなんかじゃない、本気なんだよ」

吉「…」

和「だから、…お願いだからあの子の味方でいてほしいんだ」

それは、覚悟

先生はいつかAを迎えにくる

俺らとぶつかることは避けられない

その時にAが悲しい思いをしないように

ニノの咄嗟の判断に今、助けられた

吉「はは…人生何があるかわからないですね…。先生の事務所に内定決まった時も半信半疑だったけど」

吉沢くんは苦笑して俺らを見た

吉「まさか嵐に頭下げてもらうなんて思わなかったです。しかもAちゃんもすごいな全く」

彼は、人懐っこい笑顔で頭を下げた

吉「どうか、彼女を幸せにしてください。悲しませたら、俺、許さないんで」

潤「…お前…」

吉「…、敵わないなあ全く」

俺には、彼が泣いているように思えた

見えただけ、だけど

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