モノクロ８＜ARS＞ (ページ23)

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２９３【M side】ページ23

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コンサート中でもAのこと考えちゃうのは

もう重症っていうか

昨日も、今日もAがいるハズないのに

無意識に探しちゃうんだよな

SNSでも

“松潤が誰か探してたみたいだった！”
“めっちゃキョロキョロしてたけど関係者誰かいたのかな”

って、書かれてマズイなって思ったけど

明日はAがいるから、探す必要はない

そう思いながら、明日の最終打ち合わせが終わって

部屋に戻ろうとしたら

「潤くん…、お疲れさまです」

眠そうに立ってたのは、Aだった

そのとろんとした顔がすごい可愛いんだけど

潤「こんな時間にどうした？眠れない？」

Aに近づいて髪の毛を撫でてやると

嬉しそうに俺を見上げた

なんかもう…たまんねぇな

「潤くんを待ってました…」

ズキン、と胸が鳴った

もうね、ズキン、だよ

こんなAを他の奴らに見せたくない

廊下にいるスタッフの人にお疲れと声をかけながら、Aの肩を抱いて俺の部屋まで向かう

このまま抱いてやりたいと思う

だけど、それは叶わないから

Aのギリギリ境界線まで

触れたっていいよな

Aを引っ張って、部屋の中に入れて

ぐるんと振り返って、ドアに体をぐっと押しつけた

「じゅ、潤くん…」

顔を真っ赤にして俺を見つめるAが

愛おしくて苦しい

「明日東京戻っちゃうから…、一緒にいたかったんです…」

俺が演出のチェックしてるせいで、なかなか一緒にいられなかった

だけど、こんなこと普通言うか？

気があるようにしか思えないんだけど…

顔を近づけたら、Aが俺の首に手をまわした

潤「誘ってんの？」

「…」

潤「答えないならキスするよ」

返事を聞かないまま、俺は薄暗い部屋の中でAの唇を塞いだ

Aの唇に触れたのは、久しぶりで

コンサートの余韻もあるのか、体の奥から熱がまわる

「ん…っ」

食べるようなキスでAの舌を絡めると、もう止まらない

キスしながらAを抱えて、ベッドに押し倒した

ぬるり、と赤い舌が銀の糸で繋がるのを見たら

背中がぞくぞくっとした

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