モノクロ８＜ARS＞ (ページ20)

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「もしもし…」

斗『Aちゃん？電話、早かったね』

部屋に戻ってバッグから携帯を取り出そうとすると

1枚の紙切れが入っていた

１１桁のナンバーと彼の名前

斗『あのあと大丈夫だった？』

「相当怒ってた…」

斗『だろうね(笑)』

それから、５人とドームツアーに行く話をしたり

斗真くんがお話をもらってる冬のドラマの話をしたり

すると、突然斗真くんが、んんって咳払いをした

「斗真くん？」

斗『…あのね、Aちゃんに忠告しておくことがあるんだけど』

その時、私の携帯にキャッチがはいる

「わ、斗真くん、またあとでね！」

斗『え、わかった…』

急いでかかってきた電話に出た

だけど

出なきゃよかったって、すぐに後悔した

美『もしもし？Aちゃんの携帯で合ってるかしら』

美鈴さん…

ドクン、と心臓が嫌な音を立てる

「何の用でしょうか…」

美『ふふ、案外と早く気づかれたと思って。お宅の上司さんは優秀なのね』

気づかれた？何に？

疑問を訊く前に、美鈴さんが話を進める

美『それと…領のこと裏切ってるなら早く別れてほしいの』

「裏切ってる…？」

美『要するに浮気してるんでしょ？だから領は私に偵察を頼んだのよ』

確かに、浮気してるようなもので

領に咎められたら何も言えない

みんなの愛が欲しいなんてそんなワガママ…

美『領ったら、寝てる時もあなたの名前を言うのよ？浮気されてるのに呆れるわ』

寝てる時…って

なんで…どういうこと…？

美『婚約破棄にならないといいわね』

勝手に電話を切られたけど、手の震えが止まらなかった

私のこと…バレてる？

なんで？嵐も知ってる？

しばらくして、斗真くんからまた電話がきた

斗『もしもし、さっきの忠告なんだけど』

「うん…」

斗『美鈴さんには気をつけて。あの人、Aちゃんのバッグの中に盗聴器と発信機仕込んでたから』

「…今ね、電話があって…」

美鈴さんは一体何者なの？

斗真くんが、気をつけてって言ったけど

私にとってライバルでしかなくて

だから

すごくモヤモヤする

あなたは誰？

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