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頭がフリーズするっていうのはこういうことだ
さっき感じた違和感は、しばらく空けてるはずの部屋が生活感に満ちあふれてたことだったんだ
しばらく固まって動けないでいると
「不法侵入じゃないから許してね？」
整った唇をきゅっとあげて、私に微笑む
誰この人…
領の知り合い…？
「私の名前は
領…って呼び捨てにした
召使いってどういうこと？
美「領が寝てる間にここのスペアキー作ったの。日本でホテル代わりにしてたのよ。それだけだから」
寝てる間って…
足ががくがくしてきた
手まで震えてきそうで、唇を必死で噛みしめる
美「あなたが出てくるのを待ってたのよ？まさかここに来てくれるとは思ってなかったけど」
艶やかな髪の毛をかきあげながら
私を挑戦的に見つめる美鈴さん
頭が追いつかない…
どういうことなの？私が目的？
美「あなた今どこに住んでるの？」
えっと…領の手前だと実家になってるよね
でも、なんでそれをわざわざ質問するの？
もしかして、実家に住んでないこと…バレてる？
「それを教える意味がわかりません」
美「頭いい子は嫌いじゃないわよ。じゃあ、あなたの上司を教えて？」
…もしかして、領の命令で私のこと探りに来てる？
あの時、アッサリと引いてくれた領は確かに違和感があった
「言ったら…、領の会社が危なくなるという脅しをかけられてるんです」
美「脅し…？」
「お会いしたら確かに企業秘密にするような相手でした。だから、いくら領の命令であってもお答えできません」
美「ふーん…」
もし、この人が領の浮気相手だったらどうしよう
領が浮気…？
あの目が、あの手が、あの唇が…
誰かだけを触るなんて
そんなの、やだ
いやだよ
でも、自分も同じことをしてる
浮気されたって…仕方ないのかな
零れそうな涙を見て、美鈴さんが慌てた
美「いじめるつもりはなかったの！ごめんね？」
“はい”と机の下に置いてあったバッグを私に渡した
美「気をつけて帰ってね」
美鈴さんはにっこり笑って、私を見送ってくれたけど
その部屋に入らないでって言えなかった
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作者名：まれ
| 作成日時：2016年3月4日 6時
