episode9 ページ9
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「すごい!水槽でっかいよ!」
基「ほんとだね。あ、あの魚見たことある」
「どれ?」
基「ほら、俺の指の先」
「あ、あれか。確かに見たことあるかも…?」
基「あ、マグロだ」
「わ、立派。……………」
基「おいしそう」
「え」
基「ふふ、顔に書いてたよ」
「恥ずかしい……」
赤くなった頬を押さえて水槽を見上げる。
あ、鮭。
………だめだ、お寿司食べたくなって来た。
基「捕食者の目してるよ」
「完璧やばい奴じゃん」
基「魚やめよ。蟹…、もだめだな。イルカショー行こ」
「なんかごめんね……」
基「全然。面白いから問題ないよ(笑)」
イルカショーすごいんだって、なんて楽しそうな目をしている彼を見て自分も笑顔になる。
大人っぽいのにたまに見える子供らしさが可愛らしい。
基「うわ、すごい人の量」
「あ、あそこ2席空いてるよ」
基「ほんどだ。そこにしよっか」
横に座って、いつも以上の席の近さにドキドキする。
基「始まるまでちょっと時間あるね。写真撮る?」
「撮りたい!」
基「撮ろ。俺のスマホでもいい?」
「うん!」
パシャリ、とシャッター音が鳴る。
基「いい感じ〜」
「ほんとだ。………俊介くんってほんと顔整ってるよね」
基「やめてよ、照れる」
照れくさそうに笑う姿に胸がきゅんと鳴った。
………好きだなぁ。
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作者名:もものすけ | 作成日時:2023年10月29日 20時