【カゲプロ】ヒビヤを追いかけてきた女の子は実は能力者で…。 (ページ1)

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第１話ページ1

「ええ！？東京！？」

廊下で大声を張り上げるヒビヤ。

「そうよ！何回言わせるの？一回で頭にいれなさいよ。ほんとバカだねっ。」

そのヒビヤと話しているのはこの地域一番の美人、ヒヨリだ。

「で、で、でも！ぼくと…二人で？」

「いっぱいいても困るじゃない！あんたが一番使えそうだから、あんたにしたの。文句ある？」

「…いえ。ないですけど。」

「じゃ、親に許可とってきなさいよね！私はもうとってあるんだから。早くしてよね。」

「で、でも…っ！僕んち親が厳しいから。」

もじもじするヒビヤ。

「それを何とかしなさいよ！何？そんなこともできないわけ？ほんと使えないわねっ！」

ヒヨリはふんっと顔を背けた。

「な、何とかするよっ！僕、ちゃんと交渉するからっ！」

「あったり前でしょ！？じゃ、私はもういくから、明日、結果報告しなさいよね。」

「分かった…。」

そう言ってヒヨリは教室へと戻っていった。

『…』

ヒビヤはとぼとぼと廊下を歩いていった。

『…ヒビヤ！』

私はヒビヤに駆け寄った。

『…どうしたの？？さっきヒヨリとなに話してたの？』

「ん？なんでも。」

ヒビヤは少し顔をあげて私を見ていった。

『…？大丈夫？』

「うん…。」

『…。』

謎の無言が続く。

『…あ、そうだ！このあと家庭科だよ！ヒビヤ、料理得意だったよね！？』

私は苦し紛れにヒビヤに問いかけた。

「うん。得意だよ。あ、分かった。A、得意じゃないんだろ？」

『…い、いや？？得意ですけど何か？』

「ふーん…まあ頑張れ。」

『…が、頑張るし！』

私とヒビヤは家が隣で、生まれたときからずっと一緒だった。
クラスもずっと一緒で、今は席も隣。

ずっと近くにいたのに、ヒビヤはまんまとあのヒヨリに恋に落ちた。
ずっと前から…私は好きだったのに…。

「まあいいや。行こう。」

そう言って私の腕を引っ張った。

『…。』

ヒヨリを好きなくせに、そうやって私をドキドキさせるんだ。

『…うん。』

『…わあ！？焦げたっ！えっえっ！？なんで？意味わかんないっ！』

「なにしてんの！？火、強すぎでしょ！？バカにもほどがあるよ！！」

『…ば、ばかじゃないし！勉強は私の方が出きるし！』

「そんなに成績変わんないだろ！？」

そんな言い合いばっかの毎日。
こんなんで好かれるわけないのにね。