1曲目 ページ2
.
「んあ〜今日もええ天気やなぁ」
「そうねェ。紫外線が多そうで困っちゃうわァ」
「なるちゃんはほんまにお手入れとか大変そうやな」
学院への通学路で鉢合わせた嵐とみか。
いつも通り他愛のない会話と晴れ渡る空。
とても心地の良い風が吹いている。
「…あら？」
「どないしたん？」
「何か聞こえないかしら？」
学院まであと少しのところで嵐は足を止める。
つられて一緒に足を止めたみかが耳を澄ますとどこからともなく歌が聞こえてきた。
「とっても綺麗な歌声ねェ」
「誰やろ？聞いたことない声やなぁ」
辺りを見渡すも特に誰かが歌っている様子はない。
まだ授業が始まる時間には余裕があると気づいたふたりは周辺を少し探してみることに。
「こっちらへんから聞こえてこーへん？」
みかが指差す方向へ歩くと次第に近付く歌声。
そこは学院を囲っている塀の隣、木々が茂る一角。
「I've never stood up before this time〜♪」
「見て、あの子だわ！」
「ほんまや。なんやにゃんこと戯れながら歌っとるなぁ」
集まってきたであろう猫の群れにしゃがみながら触れ合い、目を伏せて歌う小さな子。
「制服からして夢ノ咲よなぁ？ あんな子おった？」
「う〜ん。見たことないわねェ」
「あっ！あの！」
みかと嵐に気が付いたその子はバイバイ、と猫を撫でたあと駆け寄ってくる。
ふわふわとしたショートとミディアムの間の綺麗な髪を揺らしながらニコニコと笑顔を浮かべてみかと嵐を見上げる。
「君たち、夢ノ咲学院のひと？」
「お、おん…せやけど…」
ズイっと背伸びをして顔を近付けられて困惑するみか、それを見てクスリと笑う嵐。
「よかった！ボク、今日から夢ノ咲学院に転校してきたの。でも学校がどこなのかわかんなくって」
「あら、学院ならこの塀の向こうよ」
「えっ、そうなの？椚先生、ちゃんと教えてほしかったなぁ。ありがとう！」
ありがとう、と一言残してスキップ混じりに去っていく背中を呆然と見つめるみか。
嵐は何やら良いものを見つけたかのような笑みを浮かべていた。
「可愛い子ねェ♪」
「あんないきなり距離詰められたら俺しんどいわぁ…」
「あっ！！」
少し距離が空いたところで何かを思い出したその子はくるりと体を後ろへ向け、みかと嵐に手を振る。
「ボク、不知火 A！よろしくね〜！」
愛らしい笑顔にみかは俯き、嵐は手を振り返した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しずく - 続き楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年10月6日 21時) (
レス) id: a4e426e33d (このIDを非表示/違反報告)
Tadashi Horimoto(プロフ) - 続きが楽しみです！！更新頑張ってください！！ (2018年4月24日 23時) (レス) id: b94121db0d (このIDを非表示/違反報告)
『 』(プロフ) - 面白かったです！夢主可愛い…！更新頑張ってください！ (2017年7月27日 11時) (レス) id: 167c4770ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：澪@接久 | 作成日時：2017年7月23日 21時
