桜舞う季節に【平子真子】 (ページ10)

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第九話偶々ページ10

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「やあ華風君、それに平子隊長も」

『お疲れ様です、藍染副隊長』

「何やこない書類たまってんのか」

誰のせいだ、と藍染とAは心の中で思うが口に出さずにグッと堪えた。この男に何言っても今更仕事をやるお方ではないからである。

ブツブツまた文句を言いながら席に着き書類を見ている平子をAは面白そうに笑う。

「隊長を探しに行ってくれたんだね、礼を言うよ」

『いえいえ、偶々隊長をお見かけしたので』

「ほー、偶々かぁ」

意地悪い笑みを浮かべた平子にAは静かにしてください、と言う圧で見つめる。平子は素知らぬフリをし、また書類に目を戻した。

そんな二人の様子に藍染が深い笑みを浮かべていたのをAは気づかなかった。

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それから2ヶ月の月日が経った。

Aは護廷十三隊に入隊し2年の時が経つ。最初は右も左もわからず迷うことが多かったAだが、2年にもなると迷うことも無くなった。

そして今日はひよ里に呼ばれ十二番隊隊舎を訪れていた。

『ひよ里ちゃん！』

「おーA遅かったやんけ！」

『ごめんごめん、ちょっと任務が立て込んでて』

2ヶ月の月日が流れAは六席から四席に昇格した。

四席にもなると虚退治の任務も事務仕事も格段に増え忙しい日々を送っている。

しかし、ひよ里とは忙しい中でもよくご飯に行ったりお互いの隊舎を行き来するようになった。

もちろん昇格すればするほど忙しくなるものの、平子とはあれ以来話す機会が増え、以前よりは親しくなっている気がする、とAはひよ里によく報告している。

ひよ里自身は恋愛のことはよく分からないが、ご飯などは偶に平子を誘ってあげるようにしている。

『そう言えば十二番隊の浦原隊長と仲良くなったって聞いたけど、どんな感じなの？』

「知らんわあないな奴！！ウチを雑用係としか思うてへん！！」

『あら、この話題不味かったかな？』

十二番隊隊長の話をした瞬間ひよ里は突然キレ出したため、Aは必死にひよ里を宥めつつ他に誰を誘うか尋ねた。

ひよ里は任せるわ、と言った。

Aは大人数の方が楽しいと言う理由で、リサちゃん、平子隊長、享楽隊長も誘おうと言った。

『…十二番隊隊長もどう？』

「却下や」

『だよね』

話してみたかったがひよ里がこうでは仕方ない、とAは諦めまた連絡する、と言い十二番隊隊舎を出た。

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