第五話 想い ページ6
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『何だかスッキリしました！ありがとうございます、平子隊長』
「俺は何もしてへんけどな」
「ウチには何もないんか！」
「アホ、ひよ里も何もしてへんやろ」
今日ようやく自分の好きな人と話ができAは嬉しかった。
今日初めて、自分の努力が自分の好きな人に認められたのが嬉しかった。その7年間の想いが心から溢れてしまったのか――完全に油断していたのだ。
『私、とても嬉しいんです。実は、霊術院に入学したての頃一度だけお見かけしたことがあって…その時に一目惚れしちゃって。それで平子隊長の隣を歩きたいと心に誓って今まで頑張ってきたので…ようやくお話もでき、認めてくださって』
もちろんこれからも頑張りますけど、と付け足して笑うA。それに固まる平子と猿柿。Aだけが何も気づいていない。
「…オマエ、自分が何言ったか気づいてないんか？」
『…？お話できて、嬉しい？』
「ちゃう、もっと前や」
不思議に思いながらもAは先程行ったことを必死に思い出す。…そして、気がついたのだ。自分が何を口走ったのか。
Aは途端に顔中赤面し、一人で慌てふためいた。
『ち、違うんです！いや、違わなくないんです…けど、今日初めて平子隊長とお話できて、認められて嬉しくて、だからつい…その心が溢れちゃったといいますか、好きだなあって感じて…って違うんです！いや、違わないです！』
「ちょ、一端落ち着かんかい！」
「何やオマエ、真子のこと好きなんか」
「ひよ里は黙っとれ！」
三人で騒いでいると「何騒いどるんや」と女の人の声が聞こえてきた。
「おーリサ。それがな、こいつが真子のこと好きらしいねん」
「ひよ里は黙っとれ言うたやろ！」
『あ、え、えっと！五番隊第六席の華風Aです！』
「あたしは八番隊副隊長矢胴丸リサや。真子のこと好きなんか、やめとき」
八番隊副隊長矢胴丸リサは自己紹介後即座に平子はやめとけと言った。
Aはそのことよりも享楽隊長の隊の副隊長かぁ、美人だなぁと考えていた。
その後平子真子、猿柿ひよ里、矢胴丸リサの三人は10分程ずっと騒いでいた。
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作者名：*蜜柑* | 作成日時：2023年3月3日 17時
