付き合った実の兄がヤンデレ化した件について。【十四松】

上二人もヘタレ ページ8

Noside


今この部屋にいるのは、
カラ松とおそ松と十四松。


一見普段と同じ光景に見えるが、
一つだけ違う。



それは、十四松がスマホにイヤホン付けて
ニヤニヤしていることだ。



スマホなどいつ買ったのだろうか。



しかも、たまにAの名前を呼びながら
ハアハア言っている。



…察しのいい読者様なら
もう彼のしている行動が分かっていることだろう。




(なぁカラ松、あいつ絶対やってるよな？)




(そうだな、間違いなく…)




((盗聴しちゃってるー！))




こういう時だけ息ぴったりである。



(うっわついにそこまでやっちゃったかぁ…
よしカラ松！あいつに言ってこいよ、
今してんのは犯罪だって！)



(いや、それは無理だ。
ここは長男であるお前が言うべきなのではないかぁ？)



(いや長男とか関係ないから！
てかさー、お前兄として弟に間違いを注意することも出来ないの！？このヘタレ！)



(その言葉、そっくりそのまま返させてもらおう)



長兄が(心の中で)醜い口論を繰り返していると、



｢…ねぇ、二人ともさっきからコソコソと何してるの？｣



ついに魔物が反応してしまった。




｢え！？な、なんのこと！？｣



｢誤魔化さないで。
…今、僕に、言いたいことある？
あるなら言って。｣



口ではそう言っているが、
目が完全に威圧している。

｢このことには触れるな｣と。



しかし二人は兄として
勇気を振り絞ってちゃんと注意を…




｢ほ、本当になんでもないんだbrother！
すまない、不安にさせてしまったかな？｣




なんてことはしなかった。
彼らは他の二次創作のような兄さん感は持ち合わせていないのだ。



｢そっかぁ、それなら良かった！｣



このことは永遠に保留しよう、
そう誓ったクズヘタレ長兄松であった。

〜

(な、なんか寒気すんな…)


自分の声がずっと盗聴されていることを
本人が知るのは、もう少しだけ先の話。

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