60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ9)

今日:17 hit、昨日:7 hit、合計:1,743 hit

🏵️08 ページ9

.

　今日もリヴァイ君と一緒に夕食を食べたくて、近くのスーパーで買い物をしてから彼の住んでいるマンションに向かい、渡されている合鍵で中に入った。

　私は、どちらかというと片付けは苦手な方だけど、料理を作ることは好きだし、そうやってご飯を作りながら好きな人の帰りを待つ時間もけっこう好きだ。

　整理整頓されている部屋に入ると、キッチンの前に立つ。

　必要のないものは冷蔵庫にしまってから、数種類の野菜を切ったりちぎったりしてサラダを作る。

　黒コショウを多めに入れたドレッシングを付けて、今日はパスタにしようと大きめな鍋をコンロにかけた。

　そうして、夕食ができあがった頃に、タイミングよく玄関のドアが開く音がした。

　シンクに引っ掛けてあるタオルで手を拭いて、彼を出迎える。

「お帰りなさい」

「ああ。……ただいま」

　リヴァイ君が、「ただいま」と言い始めたのはごく最近で、その小さな変化、言われた言葉に一気にうれしくなる。

　リビング代わりの室内のローテーブルに夕食を並べて、今日あったことを話しながら夕食を取る。

　彼は黙って頷いて聞いてくれて……。

　こんな時に、幸せだなと感じる。

　嬉しくて、ついつい調子にのってしまい。

「それでね、蝦夷森さん。「きみは結局、エレリが好きなのか？それともリヴァエレが好きなのか？」ってずっと聞いてきて──」

　そう口走ってしまってから、気が付いた。

　だけど、時はすでに遅くて、