60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ8)

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「ほら見てよ！これなんか最っ高なんだ！！特にここ！信頼し合っているリヴァイとエルヴィンのすれ違うところが切なくてさ……」

　興奮気味にそのページを開いて私に見せる蝦夷森さんは、気のせいかすごく楽しそうだった。

　そして今も多分に漏れず……。

「それで、Aちゃん。君はどのカップリングが好き？今日はそこのところをしっかりと聞いておきたいんだ！」

　そう口にした蝦夷森さんを見て思う……。

　──本を貸してくれたのは、果たして本当に善意だったのだろうか。

「エレリ？リヴァエレ？それともリヴァエル？ちなみに私の一押しはエルリだけど」

「ええ……。えっと、エレリ？リヴァエレ？……ですかね？」

「うん？一体どっちなんだい？」

「えっと、どっちも同じ意味じゃ……」

「いいや、全く違うよ。どっちが攻めで、どっちが受けなのか！どっちが右でどっちが左なのか！これは非常に重大な問題だ！」

　いいかい？と、その事について熱く説明をしてくる蝦夷森さん。

　──いや、絶対楽しんでるこの人。

　そうして長い時間捕まってしまい、蝦夷森さんが話し終える頃には夕方になっていて……。

　だけど、リヴァイ君から言わせるなら、〝その程度で済んで良かった。〟らしい。

　以前に似たような感じで長時間捕まってしまった時に、そう言われたことを思い返しながら帰路につく。