𑁍 12 ページ29
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彼女の肌に指が沈み込む。
その度に反応する素直な身体も。
彼女の口から零れる嬌声も。
伝わる心地いい体温も……。
なにもかもが、甘い。
それが己が一番に求めていた女の肌なだけに、感慨深ささえ感じた。
「こわいから、もう、むり」
そう言われた事に、彼女の顔を覗き込む。
怖いのはリヴァイではなく、自分がどうにかなりそうだからという理由を聞き、ならばと続ける。
いいと言ったりダメだと言ったり、コロコロと手のひらを返すAに、リヴァイは翻弄されていると感じていた。
「お前が、本当にイヤならここでやめてやる」
「こわいけど、やめてほしくない」
その言葉に眩暈を覚える。
正直、抱く事が許されるのなら、欲のままに抱いてしまいたかった。
だが、元々ゆっくり進めると決めていた。
Aが初めてならば、尚更だろう。
長く息を吐きだし、衝動を抑え込む。
しかし、さんざん煽られた上、ここまできたこの状態で我慢するのは、……男としては色々とイタイ。
なにせ、このままでは癪に障る。
どうしても、
なかせてやらなければ気が済まなかった。
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作者名:Kokubyaku | 作成日時:2024年3月13日 16時