𑁍 10 ページ27
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食卓を囲み、その合間に楽しそうにAが話をするのを聞くのも悪くない。
そう思っていたリヴァイは、いつものように彼女の話を聞いていた。
しかし、耳にしたことのない単語に引っ掛かりを覚え、それが何の意味なのかを聞くと、Aは途端に目線をそらして自分の隣からキッチンへと逃げ出した。
ふと思いついたリヴァイは、苦手ながらも仕事の関係から使いこなさなければならないスマートフォンを持ち出すと検索をかけた。
画面に出て来たのは彼自身
──いや、正しくは
そしてそれに関連して出て来たのは、既存の作品を元にして別の作者が作っている二次創作と言うジャンルで……
その言葉の意味を知った瞬間、軽い衝撃を受けはしたものの、人の趣味は様々であるという事を理解しているリヴァイには、それを否定する気はなかった。
──それに、コレは俺であって俺じゃない。
早々にそう結論付けると、冷蔵庫の前から一向に動かないAに視線をやる。
そして次に、なぜ彼女がそれに興味を持ったのかに疑問を持った。
単純にそういったものが好きだというならば構わない。
だがなぜ全てに「リヴァイ」が関わっているのか……
とにかく、どんな理由でそれに興味を持ったのかが知りたかった。
立ち上がり、いつまでも冷蔵庫に頭を突っ込んでいる彼女の腕を引いて扉を閉じた。
驚いた顔の彼女に口づける。
なんだかんだと理由をつけて逃げられる前に、そうやって先手を打つ。
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作者名:Kokubyaku | 作成日時:2024年3月13日 16時