60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ21)

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𑁍 04 ページ21

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　そのソファーで、珍しく彼女が眠っていたことに、起こさないように意識して気配を殺して行動をしていたのは確かだ。

　しかし、そのせいかAはこんなにすぐそばにいるリヴァイに気づいていない様子だった。

「欲求不満……とか？」

「……」

　Aの不思議な行動は、なにも今に始まった事ではない。

　その場でうめき声をあげて身悶えているAをしり目に、手元の本に視線を戻そうとしていたリヴァイは、次に聞こえてきた彼女の言葉にピタリと動きを止めた。

　視線をもう一度Aへと戻す。

　やはり、リヴァイが居る事に気が付いていないらしいAは、次に「はぁーっ」と大きな息を吐いた。

　欲求不満と言う言葉を聞いて、リヴァイの脳裏には、つい最近も口づけをした時のAの顔が思い浮かぶ。
　

　……いや、コイツのことだ。そういう意味じゃねぇんだろう。
　

　うっとりとした顔、彼女の柔らかな唇の感触をも思い出しかけて、ソレを打ち消した。

　このまま居ないフリをしても仕方がない、元よりそのつもりもなかったリヴァイは、わざと音を立てて手元の本のページをめくった。

　ぴくりと彼女の肩が動き、動揺を隠せない様子でこちらを振り向いたのが目の端に映る。

「いたの！？なんで！？」

　確かにリヴァイは数日前、早く帰るとAに伝えておいたはずだ。

　しかし、彼女はどうやらそのことを忘れてしまっていたらしい。