60c Blumenstrauß～空の花束～【リヴァイ夢】 (ページ14)

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　今や本だけじゃなくて、そういうものはネットで手軽に見れたりする。

　リヴァイ君だってそうやって苦手そうにしながらもスマホを使っているし、それは分かっていると思う。

　だから経緯と言われても、興味があって調べていればいずれはそういうものにたどり着くことだってある。

　蝦夷森さんに会ったことも話しているから、そこで知ったのかもしれないと、彼なら分かりそうなものなのに……。

　私には、リヴァイ君が何を言いたいのかが分からなかった。

　だけど、何かを言わなければ離してもらえそうもなくて、しかたなく、さっきと同じ話を口に出してみる。

「蝦夷森さんに本を借りたの。それで、知って──」

「なんでそういう話になる」

「え？」

「お前がソレを借りるに至った元の原因はなんだと聞いている」

「どうしてってそれは……あっ！」

　その瞬間、それを説明しようとするならば、私自身の悩みを言わなければならない事に気がつく。

　その事に、さらに恥ずかしくなって、体温が上がる。

　そっと、リヴァイ君の顔を見返してみる。

　その顔は、続きを話せと言っているかのようだった。

「……私が、悩んでたから……。リヴァイ君とのことで」

「……どういう意味だ、そりゃあ」

　さらに言いにくい事であるため、一度だけこくんと息を呑んでからまた口を開く。

「……だって、リヴァイ君。……その、こういう時、いつも途中でやめちゃうから……」