第七十二訓 ページ24
それから、別の日。
僕達はまたとっつぁんから招集がかけられた。私服で来たのは大江戸遊園地。
とっつぁんの言う決戦が何かは全く分からないが暫く茂みに身を潜めていると…
「おーい、栗子ー!
悪ィ悪ィ遅れちまって。待った?」
栗子「いえ、私も今来た所でごさいまする。
全然待ってないのでございまする」
僕達の視線の先にはとっつぁんの娘の栗子ちゃんと、待ち合わせに遅れたチャラ男。とっつぁん曰く、栗子ちゃんはあのチャラ男とデートらしい。
…アレで良いんだろうか。だって待ち合わせには1時間遅れてくるし、謝罪にも心がこもってないし…
ハッキリ言うと釣り合ってない。そして何よりチャラい。
松平「野郎、ふざけやがって。栗子はなァ、てめーが来るのを1時間も待ってたんだよ…俺が手塩にかけて育てた娘の人生を1時間も無駄にしてくれやがって…
残りの人生全てで償ってもらおう。オイ、トシ!お前ちょっと土台になれ」
土方「待たんかィィィ!!」
とっつぁんは中々…っていうか親バカが限界突破してるね。
つまりとっつぁんの言う“決戦”はこの事?
土方「冗談じゃねェ。こっちは仕事休んでまで来てやったってのに、娘のデート邪魔するだァ?
やってられねェ。帰る」
松平「オイ待て…俺がいつそんな事を頼んだ?俺はただあの男を抹殺してほしいだけだ」
土方「もっと出来るか」
松平「あんなチャラ男が栗子を幸せに出来ると思うか?なァ?Aちゃんはどう思う」
『………僕から言わせてもらうと、待ち合わせは相手の女性より早く着いているのがレディファーストだと思う。それが出来てない上に1時間女性を待たせ謝罪にも心がこもっていないし、チャラついた格好しとけばとりあえずはモテるだろうという願望が見え透けてる。そんな人は栗子ちゃんと釣り合わないのはもちろん…他の女性からも釣り合わない…早急に始末した方が得策かと』
松平「完璧だAちゃん」
土方「どこが完璧なんだよ!!問題しかねーだろうが!!えらく饒舌になりやがって、お前ああいうの嫌いだっただろ!!」
『十四郎君、確かに僕はリア充が嫌いだよ……嫌いだけどね、前提として僕は女性の味方だ。あんなのとデートだなんて栗子ちゃんが可哀想なんだよ。即救済が必要なんだよ』
土方「お前はもう救済の必要が無さそうだな」(訳:もう手遅れ)
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春菊(プロフ) - きゃりーさん» きゃりーさん、コメントありがとうございます。なるべく早く更新できるように頑張ります (2023年1月3日 22時) (レス) id: c0cf6981ed (このIDを非表示/違反報告)
きゃりー(プロフ) - いつも楽しく小説を読ませていただいています。主様のペースで頑張ってください!更新楽しみに待っています。 (2023年1月3日 22時) (レス) @page34 id: 6e7a74487c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春菊 | 作成日時:2022年10月29日 22時