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私はまだ。 ページ9

「はぁー、楽しかった!またどこか行こ!!」

「そうだな!次どこ行きたいか考えとけよ」

「うん!」

帰る途中、ずっと話すことはなくならなかった。

ずっと喋って、笑って、時にはちょっと照れて。
幸せ過ぎて、夢でも見てるんじゃないかと思ってしまう。



最寄り駅で、かん高い女子のはしゃぐ声が聞こえてきた。

その女子たちの姿が見えたとき、一斉にその女子たちが私たちを見た。

すこしの間静まりかえって、こそこそ話し出した。


「……ねぇ、私何かしたかな……」

中也が何かを言おうとしたとき、甘ったるい香水の匂いがした。


「ねえお兄さん!私たちと遊びに行かない?妹さんとはバイバイして」

「ほら、もう遅い時間だから子どもはお家に帰った方が良いわよ〜?」

女子達は私を押しのけて中也にくっついた。

……私はまだ自分からハグすら出来てないのに


「悪ぃけど、それは出来ねェな。」

中也はそう言って、女の手を振りほどいた。

そして―――――

「彼女とデート中だからな」

私を抱き寄せた。


女子達は私を睨み付けて舌打ちをした。

「行こ。そんなガキを彼女にするようなセンスのない男いらないし」



私はそこから家に帰るまでの記憶が無かった。



家について、いつもの香りがした。

中也と何かを話してた気がする。


カフェオレを飲んで、ひと息ついて、少しは気持ちが落ち着いた。


「おい……大丈夫か…?あんなの気にすんなよ」

そう言われて、涙が滲んだ。


さっき、中也が私を彼女だって言ったせいで中也まで馬鹿にされた。

私は中也みたいなかっこ良くて、優しくて、何でも出来る人には釣り合わない。

それに、中也が私を抱き寄せたとき、あの女達の甘ったるい香水の匂いが中也の服についてた。


「ごめん……」

自然と、その言葉が口から出ていた。

「ンで謝んだよ……」
そう言って、中也が私を抱き締めた。

でも、それを拒絶してしまった。
拒絶してしまった自分が嫌で、さらに涙が溢れてくる。


「っ……その匂い…嫌だ」

「え……」

「さっきの、女の人達の……」

そこまで言ったら、まってろ、と言って中也が自分の部屋に入っていった。

出てきた中也は服を着替えてた。
もうあの香水の匂いはしなかった。


泣きながら、私は中也に抱きついた。
いつもの中也の良い匂いがした。


もう泣くな、そう言って私の顔を持ち上げた。

自然と、目を閉じてた。

自然と、キスを求めてた。



甘い甘いキスを――――――。

甘い甘い――。→←デート。



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設定タグ:中原中也 , 文豪ストレイドッグス , 文スト   
作品ジャンル:アニメ
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nao - 私情はさみます……すいません、覚えてるかな、うちのことmaoです、これ見てくれてたら嬉しいです、そして返信くれると嬉しいな……… (2020年9月29日 23時) (レス) id: cb11543b97 (このIDを非表示/違反報告)
きおく(プロフ) - やっぱりハッピーエンドですよね…!!分かりました!!夢主ちゃんも中也も幸せにします!!コメントありがとうございました!!! (2019年9月26日 17時) (レス) id: 8fb2214b40 (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - ハッピーエンドにしてあげて下さい!!  (2019年9月26日 17時) (レス) id: 2eff2af79a (このIDを非表示/違反報告)
きおく(プロフ) - なるほど…!!ありがとうございますー!!! (2019年9月24日 18時) (レス) id: 8fb2214b40 (このIDを非表示/違反報告)
れいな(プロフ) - 私はハッピーエンドがやっぱりいいです! (2019年9月24日 12時) (レス) id: 11efb22fa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きおく | 作成日時:2019年7月22日 18時

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