14- 一方で ページ15
貴「私達の未来では、薄桜鬼という名の付いた作品が存在します。そこに皆さんの事が記されています」
千姫「私達のことを記すことが出来るものなど居るはずない、貴女の未来はこの世とは繋がっているけれど繋がっていない世なのね」
貴「私は作品を見て原田左之助の外見や声は知っていますが、先輩は、その人は声も見た目も原田左之助に似ているんです」
少しの沈黙のあと
千姫が口を開いた
千姫「まだ不確定ではあるけど」
貴「はい?」
千姫「貴女は鶴間Aの生まれ変わりよ。言うなれば運命ね」
千左「Aさんが母さんの生まれ変わり?」
貴「本当に生まれ変わり?記憶ないですけど」
千姫「しょうがないわよ、前世の事だもの」
貴「でも、もしかしたら先輩は覚えていたのかも」
千姫「その、原田左之助と同じ名前という人のことね」
貴「時折、本当に覚えてないんだなとか記憶がどうとか生まれる前からとか言ってたから」
千姫「確かに覚えてそうね、なら、貴女はここで前世のことを思い出すために扉が通してくれたということかもしれないわね」
貴「思い出すために」
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一方で
原田「過去!?」
「そう、あの子が走っていった先にあるのは桔梗の間よ。その正面にある扉が開いていたから間違えはないわ」
原田「過去ってどれくらい過去だ?」
「それは分からない。あの子に関係のある、導かれた時代に行ったのよ」
原田「関係のある・・・」
「心配?」
原田「当たり前だ」
「彼女が帰ってこれるか分からないわよ」
原田「おい、帰って来れねぇって」
「私達には何も出来ない・・・大丈夫、私の御先祖様が何とかしてくれる」
原田「先祖様?」
「あの子に関係ある時代に私の先祖は存在する」
原田「俺たちの時にいた姫さんの事か?」
「そう、あなた方の時代には千姫様がいたはず」
原田「確かに似てるな、あんたと」
千代姫「褒め言葉として受け取っておくわ」
原田「あの日、俺さえちゃんとしていればAは記憶を無くすことなんて無かったんだ、こんなことになることも無かった」
千代姫「いえ、いずれはなったかも知れない」
原田「どういう意味だ」
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作者名:千 | 作成日時:2017年10月31日 12時