気がつけば[原田左之助] (ページ9)

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自分の世界にいる頃は

薄桜鬼の原田左之助はあくまでも

いち、キャラクターとして好きというか

憧れというか

かっこいいくて声は遊佐さんで色気あるし

実際の人にするような恋の感情なんて

ない

いや…本気の恋もよく分からないけど

これは多分本気…

左之助｢千鶴も綺麗だったが

A綺麗だな…本当に綺麗だ｣

貴｢さすが原田さんお上手なんですね…と言えばいいですか？｣

左之助｢ったくお前なー

…｣

いつの間にか早く帰りたいなんて

思わなくなってた

だけど無知とは残酷で

この世界は薄桜鬼だけど

ただの薄桜鬼の世界ではなかった

そもそも私がいる時点でそれは分かってるが

…

貴｢あれ原田さんお出かけですか？｣

左之助｢ああ｣

貴｢買い物なら私も…｣

左之助｢あ、すまねぇ
今回はちょっと無理だ｣

貴｢？
お酒ですか？｣

左之助｢いや、逢いにな｣

貴｢？(誰だろう)

行ってらっしゃい
お気をつけて｣

左之助｢わりぃな｣

土方｢…そうか…今日か…｣

沖田｢あー…そうですね｣

貴｢あの、なんかの日なんですか？｣

土方｢あいつ言ってねぇのか

それもそうだな…｣

沖田｢左之さんは逢いに行ったんだよ
奥さんにね｣

貴｢え…奥さん？｣

土方さんによれば

原田さんには奥さんと子供が1人いるらしい

でも

奥さんは
原田さんに恨みを持つ輩に
殺されてしまったとの事

今日はその命日で

子供は結婚に反対していた
奥さんの家族が引き取って行ったと

そして

私はその奥さんにどことなく似ていて

名前が同じなんだそう

貴｢そんな人…勝てない…｣

原田さんが優しくて

守ってくれているのは

奥さんと重ねていたから？

貴｢私に向けた優しさじゃない…

勘違い…

あ｣

思い出した

女物の着物を来た時

お前なーと言った後の原田さんの表情が

優しいというかどことなく愛おしいそうに

遠くを見ていたのは
奥さんを思い出していたんだ

私を重ねていたんだ
女物を着たことでより似ていた私と

馬鹿だなぁ…私

何も考えたくなくて

ぷらりと出かけた

今は春だ

満開から段々と若葉が目立ち

散りゆく花びらの

切なさが私をなぐさめる

貴｢早く帰んなきゃ行けないのに

好きになったりするから…

罰が当たったかな｣

木を仰ぎ見た

涙が溢れないように

屯所に戻ったら普通に居られるように