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貴「寒っ…」
1「おい」
貴「…」
2「おい!餓鬼」
貴「…私?」
1「そうだよてめぇだ
いい音させて歩いてるじゃねぇか
餓鬼には勿体ない
俺達によこせ
お国のために使ってやるよ」
貴「これは旅行の為に貯めたお金で…」
2「何ごにょごにょ言ってんだ
いいからよこせ」
貴「…(かくなる上は…逃げる!)」
ダッ
2「あ!待て!こんの!餓鬼が!」
貴「なんでこうなるの!」
無我夢中で走った
貴「元の世界に戻りたいのに
死んだらやばいって
!!
わっ!!」
ゴンッ
貴「いっ…」
「痛っ」
1「見つけたぞ!」
「あ、居たぞ!」
貴「!
あんたも追われてんの!?運無さすぎる!
ちょっと立てる?行くよ」
「え、あっ」
貴「(なんなんだよーーー!)」
何とか逃げ切り
隠れ所を見つけた
貴「はあ…はぁ…」
「あの…ありがとうございます」
貴「いや…ついでだから」
「それでも!ありがとうございます
私を置いていけば逃げ切れたかもしれないのに」
貴「あー確かに」
ふと隣をマジマジと見る
「な、なんでしょう」
貴「…」
見たことある…
桃色の着物…
白い袴…
ポニーテールに結われた髪…
貴「いや…」
「??」
貴「でも…」
「どうかされましたか?」
貴「ねえ」
「はい」
貴「貴女の名前って
"雪村千鶴"じゃないよね?」
コスプレなら安心だ
ここで
まっさか〜笑とか言って欲しい
家に帰れるし
お願い!
「な、なんでご存知なんですか!?」
貴「…(ですよね)
いや…その
貴女、江戸の方でお父さんが蘭方医してない?」
千鶴「はい!」
貴「昔お世話になって
その時お手伝いしてた女の子と君が似てたから
名前はその時お父さんが呼んでたの聞いて」
千鶴「そうだったんですね…え
私の男装ってわかりやすいですか!?」
貴「見る人が見たら分かるかな;」
千鶴「そうですか…」
貴「(ん?待てよ)」
千鶴が
夜中に浪士から逃げてるという事は
もしかして…この後
スッと周りを見回す
私を追いかけていた浪士と
千鶴を追いかけていた浪士が
当たりをうろついている
1人の浪士と目が合った
貴「やばっ千鶴行くよ!」
千鶴「え、は、はい!」
浪士「待て!…き、貴様なんだ!?
ゔっ…」
浪士2「貴様!!
な!?
ゔわぁぁぁぁぁああああ!!!!」
千鶴「あ、あの後ろで呻き声がっ」
貴「振り向いちゃ駄目だよ、絶対に」
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作者名:千 | 作成日時:2019年3月26日 23時