乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

S･S MOTERS ページ4

ある日の休日。Aと青宗は真一郎のバイク屋に来ていた。


『真一郎くん！遊びに来たよ〜』

真「おー、Aと青宗。よく来たな」


勢いよく抱き着くAを軽々しく受け止める真一郎。そして、それを見て嫉妬した青宗は

青「A、真一郎くんは仕事中だから邪魔しちゃ駄目だろ。ここで大人しくしろ」

と言って自分の膝の上をポンポン叩く。

Aは『はーい』と気のない返事をして青宗の膝の上に大人しく座る。



真「相変わらず仲良いな2人は。…！そうだ青宗、今日の昼過ぎに新しいバイクが入荷するんだ。見てくか？」

新しいバイクと聞いて目を輝かせる青宗。

青「見て行きたいです！あ、でもそれまでAは暇になるよな…A、帰りたくなったらいつでも言いな。バイクは明日にでも見に来ればいいから」


『いいよ、私もお兄ちゃんと一緒に新しいバイク待つ！それに真一郎くんとお兄ちゃんが楽しそうにバイクの話してるの見るの好きだから全然暇しないよ！』


にこにこと楽しそうに話すAを見て癒される真一郎と青宗。


真「青宗はこんな天使みたいな妹を持って幸せ者だな」

青「確かに俺は幸せ者ですけど、妹が可愛すぎて色んな男を無意識に引っ掛けてくるのでそこが厄介です」

真「ははっ、確かにAの天然人たらしぶりは凄いからなー。周りの男は放っておかないよな」


青「この前も真一郎くんの弟くんとその友達と一緒に遊んで居たんですよ。別に俺は友達関係まで口出したくはないけど、そいつら絶対Aの事好きだから…」

真「まあ確かに家でも万次郎ずっとAの話してるよ。そういえばいつだったか店にAが遊びに来たって言ったら、なんでオレを呼ばなかった！って文句言われたな」




困った妹、弟を持つ者同士、会話に夢中になってるといつの間にか静かに寝息を立てて眠っているA。

そんなAを見て立ち上がり奥からブランケットを持ってくる真一郎。そして静かにそのブランケットをAに掛ける。



真「起きてる時も可愛いけど、寝てる時まで可愛いのな」

青「…真一郎くんまで止めてくださいよ」

真「ばーか、そんなんじゃねえよ。Aは俺にとってもう1人の妹みたいなもんだし」

そう言いつつもAの顔にかかった髪の毛をそっと耳にかけてあげる真一郎の顔はとても優しくて、愛おしそうに見つめている。



そんな真一郎を見て、青宗の心配事はまた一つ増えるのであった。

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