乾青宗は妹を取られたくなくて必死な様子です【1】

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Aは佐野たちが来てくれて安心したのも束の間、額に青筋を浮かべ完全にブチ切れている4人がこれから取る行動など容易く想像できた。



『みんな来てくれてありがと、でも見ての通り私は何ともないし怪我とかもないからさ、ほら、早く行こ？』


慌てて佐野の手を取りバイクの方へ歩こうとするも、ポンｯと頭に心地よい重みが乗る。



佐「大丈夫、Aは後ろで少し待ってな。すぐ片付けるから」











数分後、佐野の言葉通り先程まで自信ありげな様子の不良たちが地面に伸されている。



しかし、今のこの状態ですら十分やり過ぎなのに、羽宮だけが未だに殴り続けている。




『一虎！これ以上はさすがにだめだよ！それに一虎の手がボロボロになっちゃう』


羽「…だってコイツ、Aの腕強く掴んだ。だから分からせてやらなきゃいけないんだ」


『一虎が私の為に怒ってくれてるのは分かってるよ。でもそのせいで一虎に傷が増えるのは嫌なの』


一虎の手を握って悲しそうにするA




羽「…分かった。Aの嫌がる事はしない」


そう言って納得した様子の羽宮は殴る手を止めて、公園の水道で自分の手に着いた血を洗い流しに行った。Aも羽宮に着いて行く。




場「アイツAの事になると凶暴化するよな」

龍「そういうオマエもいつも以上にやる気出してただろ」

佐「何言ってるの、ケンチンもでしょ」




顔を見合わせて吹き出す3人


どうやらみんなの行動原理は同じなようだ。










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帰宅後




Aがただいまーと言って家の中に入ると物凄い速さで玄関にやってくるこの男


Aの一個上の兄、乾青宗である。


青「おかえりA」

柔らかい笑みを浮かべ、Aが持っている鞄をさりげなく持つ。

普段の姿からは想像出来ない程かなり妹に甘い。










そしてその後ろからおかえりー！と顔を覗かせるのは乾家の長女、乾赤音。


赤「今日はAの大好物だよ」

夜ご飯の支度を手伝っていたのかエプロン姿で、Aに笑顔で話しかける。


青宗程ではないが赤音も妹に甘く、かなりの頻度で食卓にAの大好物が出てくる。





赤音の言葉にやったー！と可愛らしく微笑んだAを見て今日も暖かい雰囲気に包まれる乾家だった。

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