自惚れ*芥川龍之介 ページ2
芥川side
「おーい、やつがれくん。報告書書いてよー」
「..分かりきったことを聞くな、A。そして僕は芥川。やつがれという名前ではないのだぞ」
自分のことをやつがれと言っていたばっかりに勘違いしてやつがれと僕のことを呼んでいた。真実を教えるにも関わらず定着したからということで僕のことをやつがれと呼んでいる。
まぁ、いいか悪いかと言えば悪い気はしない。やつがれと呼んでいるのは彼女だけだから。
特別...と、いうやつだろうか。
「やつがれくん?」
「!?」
ハッと気が付いて我に返ると、目の前には僕の顔を覗き込んでいるAがいた。驚きで異能を発動しそうだった
羅生門、という言葉を口のなかに収め、ゴホッと咳込んだ。
「..なんだ」
「べっつに。一旦停止したからどーしたのかなと。
どうしたの?私に見惚れた?」
「自惚れるのもいい加減にしろ。調子に乗りすぎだ」
はぁいと言って彼女は仕事に戻る。途中、中原幹部が来てなにかを言っていたが僕はそれをじっと見つめていた
それに気付いた中原幹部がプッと笑って僕の方に来た
「手前ェ、目付きこえぇぞ。そんなにアイツのことが好きならさっさと告っちまえよ」
「な、中原幹部。僕は別にAのこと..!」
「ま、頑張れよ」
バンバンと背中を叩かれた。地味に痛いその衝撃に耐えながら僕の仕事に戻る
「やつがれくん2人っきりだね」
「それがどうした」
「暇だよう。なんかしよーよ」
2人っきりということは、あまり考えられないことなのだが
先程まで樋口と話していた彼女。樋口が呼ばれてどこかに行ってからずっと静かだった
だから暇だったのだろうけど
「..いいだろう。なにをする?」
「うーん、そうだねぇ..」
づかづかと彼女に近付く。すぐ傍まで来て、彼女の腕を引っ張りその場から立たせた。
え、というような顔をしていた彼女は呆然と此方を見つめているだけでなにも抵抗しようとはしない
僕はそのまま、彼女の腰に手を回す。すると急激に引き寄せられた体の奥で、心臓の高鳴る音が聞こえた。これは僕の心臓の音か?と思ったが、すぐにそれは打ち消された
頬が赤く染まったAは両手で僕をぐいぐい押す。生憎僕よりは握力がないらしく全く歯が立たない状況だった
「ンンッ、待って!!なにこれ、やつがれくんこんなに肉食だっけ?!」
確かに肉食かもしれない。物理的な意味でだが。
ギャーギャー喚く彼女の口を抑えるため、触れるだけのキスを落とした
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マシュマロ君 - よし、好きだ(?) (12月7日 22時) (レス) @page5 id: dadbcbff17 (このIDを非表示/違反報告)
夜乃 - 好きです(突然の告白 (10月23日 22時) (レス) @page32 id: 22ab75ff6b (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 乱歩ちゃんが可愛すぎる。。。 (2023年3月14日 22時) (レス) @page8 id: a35ce8017e (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 乱歩さん……イイネ (2023年1月22日 10時) (レス) @page3 id: a4e9a44c2e (このIDを非表示/違反報告)
neko - 乱歩さん、これは一体? (2020年8月20日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
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