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子狐、お花見をします。後篇 ページ49

「A久しぶり」

「久しぶり」

座敷童子達に手を引かれ、鬼灯の隣へと座る。

腰を落ち着けたAは鬼灯に

「…今回のことで鬼灯様に言われた言葉がずっしりと心に重くのしかかりました。

 後先考えず行動したことで回りに迷惑をかけることもあるんだと…」


Aは誘拐をした息子のせいで父親の病院の経営が大変になることを伝え、

一言一言話すたびに他人事のようには思えないような気がした。


「自分のことばかりなのでやっぱり私はまだまだ子供ですね」

折角の楽しい花見の場なのだからと落ち込む気分を上げようと

無理やり笑えば大きな手がAの手を包み込む。


「さすがにAさんも犯罪かそうでないかは区別はつくと思います。

 桃太郎さんと白澤さんが大切に育てたんですから

 それに私も貴女の破天荒な所も面白味があって魅力です」

Aは嬉しそうに鬼灯を見上げ、


「もう言ってはくれないんですか?」


可愛らしい笑顔のAに見つめられて鬼灯は一瞬固まり、

数秒黙った後小さな声で

「…そんな所も好きです」

その言葉が聞けて満足そうに照れるAは「うふふふ」と笑う。

ふと鬼灯は視線を感じると座敷童子達がジッと二人を見つめていた。


「シロちゃん達の所に行ってこようか?」

「余計な気を使わなくてよろしい」









花見の後、極楽満月に戻ってAと座敷童子達はキャットキョンシーを観ており、

鬼灯は桃太郎が出してくれたお茶をすする。


「でもAってやっぱり白澤様の妖力の影響か神様側の妖狐なんだなーって思いましたよ」

桃太郎は頬杖をついて自分の入れたお茶を飲んだ。


「だって攫ったりして危害を加えたりした事で家が傾きかけたんすから」

「犯罪をすれば何かしらの代償があるのは当たり前ですが、

 確かに妙に贈り物をされたり良し悪し関係なく周りを引き寄せる力があるのも納得ですね」

お酒を出してきた白澤が

「お前がこんちゃんを裏切ったりして恨みを買えば不幸になりそうだな」

酒を飲みながらケラケラ笑っている様子に鬼灯は殴りたい衝動に駆られた。


「そんなつもりは毛頭ないので大丈夫です。

 色々と最低な面を見せておいてなんでこいつは無事なんだ」

「なんだかんだAは白澤様が好きですからね」


Aから寵愛を受ける鬼灯はこれからますます仕事が上手くいきそうだなと桃太郎は密に思った。

子狐のおまけの小話と移行のお知らせ。→←子狐、お花見をします。前篇



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(プロフ) - ネコさん» コメントありがとうございます。アニメすごく面白いですよね。漫画もオススメです。無理しないように頑張ります。 (2020年9月8日 2時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ - 最近Abemaで鬼灯を見始めてからハマってます(笑)応援してます!鈴さんのペースで更新頑張ってくださいね。 (2020年9月4日 18時) (レス) id: f7821a3b7d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 櫻駄ミズキさん» コメントありがとうございます。頑張ります! (2020年9月2日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
櫻駄ミズキ(プロフ) - めっちゃ好きです…!!応援してます(о´∀`о) (2020年9月1日 17時) (レス) id: 441661fb12 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - レノン・リーシュナさん» コメントありがとうございます。両作品とも拝見した事のない作品なので、検討という形にさせて頂きます。すみませんでした。 (2020年9月1日 7時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月27日 0時

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