【鬼灯の冷徹】子狐こんこん肆

子狐と地獄フェスティバル。前篇 ページ14

地獄の大型イベントである地獄フェスティバル。

その会場にはメジャーからインディーズ。中にはアマチュアも参加して音楽を皆は楽しんでいた。


鬼灯はいつもの幼馴染組に唐瓜と姉である甜瓜を交えて、

甜瓜と烏頭がファンであるバンドのヒスミドを楽しみその余韻に浸っている所へ途中でシロ達も合流した。


｢鬼灯様、今日Aは来ていないの？｣

｢このイベントに来てはいますよ。

先に友人と約束していたようで｣


それを聞いて烏頭は鬼灯の肩を組んで笑い我慢しながら

｢誘った日にこいつAに即答で断られて少し落ち込んで…｣

全てを言い終える前に烏頭は鬼灯に腕を捻り上げられ、悲鳴を上げる様に周りは喧嘩か？と通り過ぎていく。


｢だから！行かないって言ってるでしょ｣

遠方で女の子達が酔っ払った男達に絡まれているようで、

周りも助けるべきかと困り果てていた。


｢こういう大きなイベントに1人はいるんだよな。

ああいう迷惑野郎｣

｢助けてあげた方がいいんじゃ｣


そんな中、ルリオがある事に気づいた。

｢あれAじゃないか？｣

確かに絡まれている女の子達は3人で、

梅子、アヤメ、そして完全な人型に変化しているAであった。


｢一緒にビール飲もうよ｣

片手にビールを持っているAに男の一人が肩に腕を回そうとするが、

Aはすかさずその手を叩いて振り落とす。


｢そういう刺激的な女の子好きだよ〜｣

｢ならもっと刺激的なものを体験しますか？｣


男は背後から感じる凄まじい殺気に体が動かなくなり、

ゆっくりと振り向けば鬼の形相の鬼灯に悲鳴を上げて走り去ってしまい、

他の男達も鬼灯の殺気に恐れて続いた。


｢鬼灯様…｣

｢A大丈夫ー！？｣

シロ達もすぐにA達に駆け寄って合流した。


｢大丈夫だよ｣

｢でも今日のA耳と尻尾ないから最初気づかなかったよ。個性って大事なんだね｣

｢遠回しに無個性って言われたような…

こんなに人がいると耳と尻尾は周りの邪魔になるし暑いんだ｣


｢にしても、Aだって気づいてから鬼灯の素早さは…いでででででで！｣

また腕をひねり上げられた烏頭は叫び声をあげ、

解放された後、痛む腕を摩る。


｢今日はやけに露出高くないか？｣

｢暑いもん｣

ルリオに指摘されたAは袖は肩先が隠れる程度で、下は短パンである。


｢露出が高いの着てるから絡まれるんじゃねーの？｣

柿助の発言にアヤメが｢はあ？｣と怒って詰め寄った。

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