【鬼灯の冷徹】子狐こんこん肆

狐と鬼と鬼狩り。壱 コラボ番外編 ページ19

休みの日、Aは桃太郎と共に仙桃を採っていると、

大きな岩の近くに謎の大きな穴があった。

｢こんな穴あった？｣

｢ああそれ？なんか突然出来てさ

白澤曰く、別の次元に繋がっている可能性があるから落ちないように気をつけろって｣

Aはふーんと言いながら穴の中を覗くと先は闇で全く見えない。

｢こんにちは｣という聞き覚えのある声に振り向くと鬼灯が訪れていた。


｢研究の薬草を分けてもらいに来ました｣

｢じゃあすぐに…｣

足を前に踏み出したAは落ちていた仙桃に気づかずに踏んでしまい、

ズルッと足を滑らせたAの体は後ろへと倒れていく。


｢え？｣


Aの体は穴の中へと落ちて行き、｢いやあああああ！｣と声が響き渡った。

すぐに鬼灯も穴の中へと飛び込んで追いかける。

残された桃太郎は｢え！？え！！？｣と穴の中を覗き、

｢鬼灯さん！Aー！｣

と声をかけるが桃太郎の声が響くだけであった。









｢匂いを見失った｣

腰に刀を下げ、背には大きな箱を背負う少年。

炭治郎は夜の森の中で自分のよく効く鼻を頼りにある者を探していた。

一緒にいる金髪の派手髪の男、善逸も同じくよく聞こえる耳を澄ますが自分も見失ったことを伝える。

｢森の中を走っていたら出てくるだろ！！｣

そう騒いで今にも走り出しそうな猪の被り物を被った男の伊之助を炭治郎と善逸は落ち着かせ、

改めて手がかりはないかと考えていると

炭治郎はふと妙な匂いがする事に気づいた。


｢人間じゃない匂いがする｣

｢えええ！？急に！？｣


善逸は怯えたような表情に変わり、耳を澄ませると確かに何かが近づいてくる音が聞こえる。

｢出てきたか！！｣

伊之助は鼻息を荒くして腰の二刀を構えた。

森の草木を掻き分けて出て来た鬼の影に伊之助は待っていたとばかりに炭治郎の静止を聞かずに突っ走って刀を振る。


カキンッ


咄嗟の反射で鬼灯は金棒で刀の攻撃を防ぎ、

伊之助を宙へと振り払う。

体勢を戻した伊之助は炭治郎達の傍へと着地した。


｢何ですか急に｣


そう苦言を呈する鬼灯の匂いに炭治郎の鼻はひくりと動く。

｢角…鬼なんだろうけど、いつもの鬼と匂いが違う｣

｢そ、それって無惨関係ってこと……？｣


ヒソヒソと話す炭治郎と善逸に鬼灯は｢あの｣とお構い無しに話しかけた。

｢女の子見ませんでしたか？

貴方達とは違う装いだと思うんですが｣


｢え？｣

と炭治郎と善逸は気の抜けた顔を鬼灯へと向けた。

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