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子狐の所に鬼灯様が訪れました。 ページ26

Aの有給3日目、仕事がようやく落ち着き鬼灯は極楽満月の前に立っていた。

店は既に営業が終了している時間帯だが、表には臨時休業の札がかけてある。

「ごめんください」

鬼灯が店内に入ると最初に桃太郎が出迎え、驚いた表情を見せた。

「わっ鬼灯さん。こんばんは」

「こんばんは。Aさんいますか?」

「Aは今白澤様と中華天国の方に出かけていて…。

 婚姻届の誤解の件ですか?」

「知っていたんですね」

「ルリオ達から聞いていて」

「ならもうAさんは知っているんですか?」

桃太郎は頷き、

「そうですか。まあ、私の口からも改めて説明するのがいいでしょう。

 待たせてもらいます」

と言った鬼灯を居間の方へと案内した。


「ただいま〜」

「あ、おかえり」

待つ事数十分、Aと白澤が帰宅して二人はお土産や鞄を店のカウンターへと置き、

桃太郎が顔を覗かせると「これ美味しそうだから買っちゃった〜」と呑気に笑っていた。

「ほーんと。お見合いの席って肩凝るのなんの」

「しばらくお見合いはいいや」





「お見合い?」





いつもならこの家で聞くことのない低い声に白澤とAはぎこちなさそうに桃太郎の背後を見ると

此方を見据える鬼灯の姿に2人は抱き合って悲鳴を上げる。

「お、おおお前なんでいるんだよ」

「婚姻届の誤解の件です。

それより白澤さん、貴方ついに身を固めるんですか?」

「僕は身を固める気なんてないもーん。

お見合いしたのは僕じゃなくてこんちゃんだよ」


鬼灯が視線を向けたAはいつもの普段着ではなく、どこか大人っぽい格好をしていた。

化粧も普段より綺麗に仕上げられている。









「何事?」

手紙を破ろうとした白澤にAが声をかけると、

その手を止めて笑顔で振り返る。

「大した事じゃないから気にしないで」

明らかな嘘にAは白澤をジッと見つめ、

白澤も負けじと笑顔で返した。


「Aへの見合いの申し出だよ」


埒が明かないと白状した桃太郎に白澤は「なんで言うのさ!」と詰め寄った。

「どうせいつかはバレるっすよ」

「お見合いって…」

「前に中華天国で会った人虎覚えてる?」
 
「うん。大きな病院の院長だよね」

「そこの息子がこんちゃんに一目惚れしたみたいでさ、

 何度断ってもお見合いさせてほしいって申し出が来るんだよ」



「なら私お見合いするよ。

 一度すれば向こうも満足するだろうし、私が直接断れば諦めるだろうし」

子狐お見合いをしました。→←子狐と泣き疲れて迎えた朝。



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(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月2日 3時

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