子狐は特効薬です。 ページ15
「よし!直ったぞ」
薬剤部にて薬の分包機を修理する烏頭は無事に機械が直った事を教える。
「ありがとうございます」
「これは一応俺が作ったやつだし、これくらい簡単だって。
鬼灯に始末書提出しに行くよりもな」
「はははっ。何言ってるんですか」
烏頭の言葉に冗談だと思い笑い飛ばすAに「代わりにお願いがあるんだけどよ」
と烏頭は書類の束を取り出す。
「これから鬼灯に始末書提出しに行くから一緒に来てくれ」
「本当に何言ってるんですか…」
「いや!本当にお前がいるだけで鬼灯違うんだって」
「気のせいですよ」
頼み通りにAは発注書を持って行くついでに鬼灯に始末書を提出しに行く烏頭に付き添っていた。
「小言+目潰しが、Aがいるだけで小言だけになる」
「それは提出する時の態度に問題あるんじゃないですか」
「謝れってか?あいつの頭が固いのが悪いのに?」
「絶対それですよ」
裁判所に着けば鬼灯が仕事をこなしており、
「鬼灯様」とAが声をかけると顔を上げて2人の方を見た。
「おや、Aさん」
「発注書です」
Aから発注書を受け取った鬼灯は後ろの烏頭に目をやり顔をしかめた。
「始末書の提出ですか?」
「ちゃんと書いたぜ」
「まったく。始末書を書くのが上手くなってどうするんですか」
鬼灯に小言を言われた烏頭は「へいへい」と適当な返事し、解放された後は再びAと自分の部署を目指して歩く。
「な?」
「よくわかりません」
「昔からお前が閻魔庁に遊びに来た時は鬼灯少し機嫌が良くなるんだよ。
俺がやらかした時何度助けられたか」
「烏頭さんの場合、怒られる事を辞めた方がいいんじゃ」
「やだよ。お前だってガキの頃覚えねぇか?
やめろって言われても楽しいから止められないこと」
Aは記憶を蘇らせて「あっ」と一つ思い出した。
「確かに昔危ないって言われても崖で遊んで桃タローに怒られたな。
見つかる度に桃タロー悲鳴上げてた」
「お前もなかなかじゃねぇか…」
例を出されたAは確かにな。と烏頭に言われた事に妙に納得してしまう。
「じゃあ俺こっちだから。付き添いありがとうな」
と帰っていく烏頭に手を振って別れた。
仕事の書類を鬼灯に提出したお香はある事に気づいた。
「Aちゃんが来たのかしら」
表情がわかりにくい鬼灯から微かに機嫌の良さが伺え、笑みを零す。
「Aちゃんが来た日は少し機嫌が良いのよね」
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月2日 3時