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森に眠る芸術家七*コラボ番外編* ページ11

「まず始めに、歩美くんが見たという青い光ですが

 あれは恐らく蓄光という塗料でしょう。

 犯人は何かの拍子にその塗料を田中の服につけたんだ。

 心臓の辺りがわかるように…

 太陽や照明の光を吸収するこの塗料は発光は弱いが暗闇では光る。

 田中さんが背を向けていれば蘭達には見えず、胸側は自分の体で隠せば近くにいたもう一人には見えない」

「という事は犯人は宮端さんか上村さん…」


「…宮端さん。貴方、始めは腕まくりなんてしてなかったですよね。

 服の裾からは重ね着していた服が見えていたはずだ」

「これは暑くなったからで…」

突然電気が消え、再び騒ぎ出す皆に

「落ち着いてください。私が頼んだんです」

と小五郎が声をかけた。


「園子くん、自分の鞄を確認してみてくれ」

「あ…園子の鞄に塗料が」

暗闇の中で園子の鞄の側面に小さく塗料がついており、

電気が点くとその塗料は再び消えた。


「塗料は恐らくよろけた園子くんを抱きとめた時につけたのでしょう。

 消えたAさんですが、宮端さんは本当は園子くんを狙ったが

 鞄を預かっていたAさんを犯人が勘違いしてしまった。

 電気が点いた後にその間違いに気づいたんだ。

 上の服を脱いで田中さんを刺した後に返り血がついた下の服と手袋は

 もう一度着た上の服の下に隠して

 水を取りに行った際に隠したんでしょう」

高木はポケットに入れていた宮端の腕を掴んであげる。


「確認させてもらいます」

高木がまくっている袖を下ろすと袖口には血液が付着していた。

「宮端さんの手も暗闇の中で光るはずだ」



「Aお姉さんいたよー!」

部屋に入ってきた歩美に皆は一斉に注目をしてその隙を見逃さなかった宮端は

高木の腕を振り払って歩美に向かって走り出した。


「きゃあ!」

恐怖で動けない歩美の背後からAが宮端に体当たりをした。

「ぐっ…くそっ!」

宮端はAを人質にとり、隠していたナイフをAの首下に当てる。

「A!!」

動き出しそうな桃太郎を宮端は「動いたら刺すぞ!」と脅して止める。


「俺の絵画展を開いてくれると約束していた田中は多沢の絵画展に変更し、

 絵画展に小さな会場を貸してくれるはずだった鈴木財閥は

 多沢の絵画展と聞いて張り切ってこんなご立派な会場までお建てになる。

 この扱いの差にはかなりショックだった

 しかも田中は…」



『君の作品なんかよりもずっと話題になって儲かるからな』

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(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月2日 3時

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