子狐、勝負します。 ページ29
飲み比べ勝負を持ちかけたAに鬼灯は「いいでしょう」と承諾をする。
「勿論、鬼灯様は度数の高いお酒をストレートで2杯先に呑むハンデつきです。
私が勝てば結婚話の白紙と約束がいつされたものか話してもらいます」
「なら、私が勝った時はAさんに嫁いできてもらいます」
条件と会場、勝負内容を決める2人を見ながら
「え?Aが片思いしてたんだよな……?」
と立場が逆転している2人に桃太郎の脳内は妙に冷静であった。
日を改め、衆合地獄のとある居酒屋を貸切にして
他のギャラリーに囲まれる中
Aと鬼灯は向かい合って座る。
「…なんで鬼灯様とAが飲み比べ勝負するんだ…?」
ギャラリーとして茄子と共に2人を見守る唐瓜は勝負の発端に疑問を呟くと、近くにいた桃太郎が説明した。
「は!?色々頭が追いつかないけど、それって両思いじゃん!!なんでAは結婚白紙にしようとしてるんだよ!!」
「なんか、約束の件を改めてちゃんと確認して、
気持ちが通じ合ってるのがわからないと結婚したくないんだと…」
「鬼灯様って表情も感情もわかりにくいからな〜
あの人に予兆もなくいきなり結婚してくれって言われたら
愛というよりもビジネス的なやつなのか閻魔大王の縁談話避けって思っちゃうよな」
2人がそんな話をしている間に鬼灯とAはどんどん酒を呑んでいく。
審判としてその場にいるお香は平等に酒をつぎ、記録をしていった。
「すげえ…まだ呑んでる」
かなりの時間が経つが酒の瓶は次々と空になっていき、
2人の頬は上気しているが、潰れる気配はまったくない。
「あの2人だけで衆合地獄の酒全部呑むんじゃないのか…?
てか、費用にしたらすげえだろ」
「閻魔大王宛に領収書作るらしい」
茄子の証言にこの場にはいない閻魔大王に唐瓜は不憫になった。
一方今まで呑んだ事のない量にさすがのAも視界が歪んで意識が朦朧としだす。
それに気づいたお香が「Aちゃん、無理したらダメよ」と止めに入ろうとするが、
Aはお香にグラスを差し出した。
「大丈夫です。……次お願いします」
「A、いい加減にしろ」
「好きな人と結婚できるならそれでいいじゃないか」
見かねた桃太郎と柿助達も止めに入る。
「ダメ…こんな結婚絶対に……ダメ…」
その言葉を最後にAは机に突っ伏す形で倒れ、意識を手放して酔い潰れた。
倒れたAのグラスは鬼灯の前へ転がり、止まった。
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時:2020年7月2日 3時