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子狐とお見舞いの品。 ページ18

「シロちゃんお尻大丈夫?」

「うん。すっかりいいよ!もうすぐ退院できるしね」

シロがお尻を手術して入院していると桃太郎に聞いたAは休みの日を利用してお見舞いへと訪れていた。

元気そうにしているとは聞いていたのでそこまで心配はいていなかったが、差し入れを持っていこうと思ったのだ。


「えっと、これがいなり寿司で、きつねうどんセットに、これは油揚げにお餅を入れたやつで…」

「油揚げ尽くしだね」

Aが油揚げのオンパレードを机に出している所へ部屋の戸をノックする音が聞こえ、

シロが返事をするとガラリと開けた戸の向こうには鬼灯が柿助、ルリオと共に立っていた。


「Aさんも来ていたんですね」

鬼灯達は机に並べられた多数の油揚げ系料理に「うわぁ…」と声を漏らす。


「こんなに油揚げ食ったら胃もたれしそうだな…」

「入院している相手に持ってくる物じゃないですね」


「だって…私って他の妖狐と違ってTHE・狐って見た目してるから

 差し入れとかで油揚げ系の食べ物ばっかり貰うんですよ…。

 頑張って食べてたけど家は皆そろそろ油揚げ嫌いになりそうで」

「苦労してるんだな…」

鬼灯はいなり寿司を手に取り、「だからってシロさんに油物ばかりダメですよ」と言い、一つ食べた。

「いくつか引き受けますよ」

鬼灯の申し出にAは目を輝かせ、鞄から次々と食べ物を出していく。

もちろん全部油揚げ系の食べ物である。


「その鞄にどんだけ入ってんだ…」

「ドラ○もんみたいですね」


Aの尻尾と耳を見たルリオは「完全な人型になればいいだろ」と提案する。

その提案にAは「うーん…」とイマイチな反応を見せた。

「完全な人型になれるけど、結構疲れるの。戻るとすっごく眠くなるんだよね。

 今の状態が慣れてるから一番楽なんだ」

Aの変化事情を始めて知った柿助達は「へー」と納得をする。

そんな中鬼灯は気にせず食べ物を選んでいき、大量の食べ物を胸に抱えた。


「まあ、食べ物を引き受けるのは今回だけですからね」

「ありがとうございます」









数日後、鬼灯が薬剤部に用事があり医務室に訪れると

「それで、これ…美味しいお店のいなり寿司だから良かったら」

Aが他の部署の獄卒にいなり寿司の箱を渡されている所に遭遇した。

照れている獄卒とは対照にいなり寿司と鬼灯を見比べて遠い目をするA。


「…根本的解決は別の所にあるんじゃ」

鬼灯は冷静にそう思った。

子狐はモテるみたいです。→←子狐のストレス発散です。



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(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月2日 3時

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