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子狐お母さんが気になります。中編 ページ10

「やっほー。妲己ちゃんいるー?」

と明るく花割亭狐御前に顔を出した白澤。

「これはこれは旦那。へへ…」

いつも来る上客に檎も快く出迎える。


「あれ?」

しかし、白澤の体はぐいーっと別の店へと引っ張られる。

「何々!え!こんちゃん!?」

白澤は自分の服を引っ張るAを見て更に驚く。

「もしかして桃タローくんに連れ戻してこいって言われたの!?」

「今日はここ!!」

Aが指さすのは二軒先の店。

「え?ここ?なんで?」


「お母さんがいるかもしれないのよね」

店から出て来た妲己はニッコリと笑う。

「お母さん?もしかして、小判に言われたことで気になっちゃったの?」

白澤の質問にAは小さく「うん…」と返事した。

自分の服に顔を埋めるAの頭を白澤が優しく撫でた時だった。




「チェストォォォオオオオオオオ!!!」

「ぎゃああああああああああああ!!!」


鬼灯に頭から金棒を振り下ろされた白澤は血を噴出して地面に埋もれた。


「貴方!いくら衆合地獄での借金が膨らみすぎたからと言ってAさんを売り飛ばすなんて

 ゲスを極めすぎてお前の世界の終わりを迎えますよ」

「おい…ネタ入れてるからわけわかんないこと言ってんぞ…」


「つまりはお前の人生を終わらせるってことですよ…」

邪悪な雰囲気を漂わせている鬼灯は金棒を構える。


「てか!僕はいくら借金が膨らんでも可愛いこんちゃんを売り飛ばすわけないだろ!!」

「チッ…うちで引き取ろうと思ったのに」

「おい聞こえてんぞ!テメェの所には座敷童子がいんだろ!!」

ガルルルルと睨みあう二人が落ち着いたところで檎が鬼灯に事情を説明した。


「なるほど…。それでAさんはその母親と思われる女性に会いたいんですね」

鬼灯の言ったことにAはコクリと頷いた。


「ここ一帯の店は成人未満は入れないからお嬢、ここ最近ずっとあの店をこっそり覗いてる毎日でして…」

「そういえば、ドラマでも母親を探して子供が旅をするやつがありましたね」

「あー再会した母親に拒否られたやつ?」

白澤の言葉にガーンッとショックを受けた様子のA。

鬼灯は再び白澤に金棒を振り下ろした。





「2名様ですか?」

鬼灯と血まみれの白澤は共に「はい」と答える。

鬼灯の首にはAが狐の姿で必死に襟巻きのフリをしていた。



「ふふっ。よそでお金を使った倍うちでも使ってもらわないと」

そう笑う妲己に檎は恐ろしかったという。

子狐お母さんが気になります。後編→←子狐お母さんが気になります。前編



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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年3月7日 0時

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